色花壇

画家は
広場のあちらこちらに
ときめきを混ぜて
色を塗っていった

チャコール
　　　クリムソン
 　　　　　　ビリジアン　
　　　　　　　　　エメラルド
              パープル
　　　スカーレット
ラベンダー

毎日、
恋人たちが
色彩のアーチをくぐった
老婦人は色彩に見とれて
仲直りをした

　　　　　　　　　セルリアン
　　　　　　　マゼンダ
　　　ターコイズ　
フローラル　　　
　　　カーマイン
     　　　　プルシャン
　　　　　　　　　ライラック

色彩は
噴水や雨で流れたので
そのたびごとに塗り替えた
流れても流れても
塗り替えた

バーミリオン
　　　アイボリー
　　　　　オリーブ
　　　　　　バーントアンバー
　　　　　オリエンタル
　　ジョンブリアン
ネープルス

　　　　　　　　　　　　　・2014.5.24　「色彩」の改作

僕の住む街

僕の考えていることは
あの人も考えている
あの人が考えていることは
僕も同じに考えているだろうか
同じ考えの人同士が
隣に座ったら
それは奇遇なことだ

この街には
同じに考えている人が
たくさん居る
家族のこと
幸せのこと
平和のこと
そして生きることに
疲れてしまい
何も考えられない人

僕もよく考える
何も考えられないときもある
だから僕もみんなと同じだ
心の中は見透かせなくても
想像はできる
みんな同じに考えて
同じに生きているってことを
僕はこの街が好きなんだ