取りのこされて
置いてけぼり
そんな気持ちはいつも抱えている
あれこれとあがいても
ふつうであることが
どんなにむずかしいことか
もどかしい居場所
けれどもしああだったら
こうだったらと
あきらめきれないでいる
しがみつく存在
置きすてられた塊
自らを否定しつづける
それが私に課せられた宿命だ
夏物がまだ吊されている
怠惰が部屋に沈殿し
私はすでに厚着のカーディガン
洋服ダンスから引っ張ってきたやつ
それぞれの季節には
それぞれの粧いがよく似合う
たびごとに胸ときめかせ
区切りもつけて
まだ
夏物が揺れることなく
所在なさげに垂れている
並んだ列の
私は一員
曖昧さは嫌い
揺るぎのない
確かなものが欲しい
もうすぐ試験日
あれは不沈艦隊
はみ出さないよう
クッキリと
もう花丸はもらえない
秋の音がする
落葉が風に吹かれているのだろうな
きっと
カサッ カサ カサ
カサカサカサ ササッ
木枯らしの渇きだろうか
ヒュー フーッ ヒューッ
ヒューッ フー シューッ
あれっ
どこかに生き物が
潜んでいるぞ
今日注文すると今日届く
そんな便利さに浸っていると
染まっている自分が
なんだか不愉快になる
ひょっとしたら
今日注文したものが
昨日届いていたり
欲しかったものが
知らずに届くようにもなるのだろうか
もしかしたら
いまのわたしも
知らずに届けられた
空っぽの箱だろうか
踏み潰したくなる!