中心線のずれた鉛筆
ななめ橋のリモコン
パジャマの渓谷に微風がなびく
と よくある
ささいな衝突だったが
ガラガラとくずれ落ちてゆく
あっけなく
呆然と
諦めたあとの
身ひとつに眺望が拓ける
下流の帆板では
ゆらりゆらり
あるものがなく
ないものがある
小鳥は
私が落下しているから
羽ばたいている
墜ちてくるものは
私が飛翔するから
受けとめることが出来る
眺める位置がちがうから
世界はいくつも存在している
窓は開かれている
貴方に近づいて
ふうわりふり返る
するとあなたはもういない
わたしもいない