写詩之日々

写真と詩を載せています。

夜明け

2021-11-13 20:04:05 | ポエム・写真

夜が白々明けるころ
失ったものを数える
朝陽とともに眠りについたからって
それらを取り戻せるだろうか

問いかけながら
年月は過ぎ
陽光から逃げ
人々から逃げ
いっときの心地よさだけを
求めてしまう自己嫌悪

やりなおし
闇夜のなかにも光はある
それらに追いすがる生き方も
べつに悪いわけではない
そう言いきかせて


枯葉と人と

2021-11-07 17:25:41 | ポエム・写真

秋の葉が
そぞろ散っていかないうちに
会いにいく
馴染みの公園には
いまを惜しむように
寄り添っている


コロナ渦の迷惑は
人間だけではなく
枯葉がひとしお哀しむのも
そのせいだろう

紅葉 乙女 あかね色


金網の向こうとこちら
に隔てられて
かさこそ かさこそ
秋と名付けられた風景を
人はいつも探しにいく


待ちわびて

2021-11-06 18:15:39 | ポエム・写真

土曜日に届く手紙が
好きだった
あなたは一週間の
できごとをかならず
土曜日に届くように送ってくれた

西の国の暮らし
たわわな果樹園
わたしは枕元で
二人だけの旅をした
歩けないわたしと
幼子のわたしと
まだフライトの途中

あなたを想いながら
おなじ夢をみた
終わらないで土曜日って
いつも祈った
目が醒めると
いまもポストを覗くの