写詩之日々

写真と詩を載せています。

恋情

2018-09-29 18:18:10 | ポエム・写真


背すじの真っ直ぐな

坐像の貴女に

メスを入れる

美しい貴女に近づくために

どんな方法があるだろう

境界のある野辺は

いつだって華やか

貴女はどこを見ているのか

とがめることの出来ない

この世界で


9月

2018-09-25 01:19:00 | ポエム・写真


男と女が

手を取りあって

仲睦まじく

歩いている


二人とも

中年風の装いであり

仲の良い夫婦

に伺えた


木の葉は

いくらか色づき

地面はカサコソの

ささやき


散策は日課だろう

会話は少なめ

お互いの歩幅は

知り尽くし


男と女は

付かず離れず

足どり軽やかに

消えていった


別人

2018-09-15 15:50:19 | ポエム・写真


その場所を目指しつづけて

走ったり

地図を広げたり

手紙なども送ってきたけれど

いざ辿り着いてみると

はてどうしたら良いものか

とたんに不安になる


あれは幻影だったのか

錯覚だったのか

手に入れてみると

あとずさりをし

へたり込んでしまう


想い焦がれてきたはずなのに

ぼくは一瞬にして

別人になってしまった


還暦

2018-09-12 15:29:13 | ポエム・写真


しかし あれだな

なんていうか 

あっという間だったな

もしや自分がな 

こんなところまで来るとはな

いいのかな

聞いてはいたけど

自分がなるとはな

じかんというのは早いものだな

このぶんだと

またあっという間だろうな

まわりは停年だものな

どうなんだろうな

もの憂いな

しかし あれだな

けっこう大丈夫なんかな

まだ まだな