ふり向くと
いくつもの落とし物
気になるが
もう見つからない
あるいは
捨ててきたのに
償いもせずに
落とし物にすり替える
オパールの首飾り
真犯人の現れない小説
落とし物にくっついている
それぞれの英雄譚
水平線のボトルメール
サーカス小屋の約束
過去からの去来
それを運命と呼んでみる
落とし物ですよ
と声をかけられて
つい振りかえる
いいえと遮る
僕の願いは
見つからない
星空の瞬き
いつまでも届かない
ふり向くと
いくつもの落とし物
気になるが
もう見つからない
あるいは
捨ててきたのに
償いもせずに
落とし物にすり替える
オパールの首飾り
真犯人の現れない小説
落とし物にくっついている
それぞれの英雄譚
水平線のボトルメール
サーカス小屋の約束
過去からの去来
それを運命と呼んでみる
落とし物ですよ
と声をかけられて
つい振りかえる
いいえと遮る
僕の願いは
見つからない
星空の瞬き
いつまでも届かない
谷底を下っていくと
情報の濁流に飲み込まれ
優劣、損得、理解よりも排除
ご都合主義の行列だ
スクロール スクロール
貧困と孤立は自己責任
成長と分配に洗脳されて
ナビは想定外の航路をすすむ
ゆら〜り揺られて
この筏はどこへ行く
実力社会から脱落して
ふつうが許されない時代
散らかった一室の
架空のロッキングチェアで
思いあまって怒りの槍をもつ
アキコ@Akuyten
メール頂戴ね(ハート)
イノベーションか
ダイバーシティか
これがグローバルって奴か
居ながらの世界旅行は
中毒症状と失望感
終末時計が10秒進んだからって
資本主義は壊れはしない
生きるのも死ぬのも自由
おやっ、いつの間にか
大海の網目に捕獲され
背もたれに埋もれていく
葉脈に水滴がきらめく
食糧と住居を分かち合い
豊穣な大地の広がる
「人新世」という魅惑の言葉
太古代からジュラ紀へと
積み重なった地層の
急激な変化
それが今であり
「人新世」
であるというのだ
つまりは人類は滅亡期に入りました
学者はしたり顔で
微笑を浮かべる
今生きている人類は
逃げ切れます
と言いながら年表を示した
立ち並ぶ高層街に
スマホ片手に歩く人々
ビルのディスプレイに
学者の姿が映っていた
地層は地球をおなじ方向に誘うが
酸素不足の理性は人々を分断する
私たちはどう行動すべきか
結末だけを
急いでいる
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*「人新生」の読みは、ヒトシンセイまたはジンシンセイがある。
車いすは
平坦な道を
好む
それに乗っている僕は
荒々しい道に
憧れる
行き先は決めても
地図には
道がなかった
そこに
黄金色の絨毯を
敷いた
摩擦がふえて
いつも眺めているだけの
道があった