下手な謙遜と
自意識の塊
与えられた肉体を
ただ蔑み
浅瀬に脚を投げだすと
潮の流れに消えかかる
幻にたゆたう
出発の目途はたたず
曲がった背骨を採掘する
形を造りなおすのだ
さあ施錠せよ!
草原に一陣の風が吹く
こともなげに過ぎる
一生のような
地表に現れた
古代遺跡のあぶり出し
サバンナを駆ける
食うか食われるかだ
血肉の残骸が
引っかき傷となって現れる
白煙が立ち昇る
生命への抵抗
駆け抜けるような画を
治療をすませた
時間の分かれ道
どちらへ行こうか
創造のない帰路
体力つけなけりゃ
薬には頼らない
薄陽のぬくもりに
淡い期待
これで終わりね
帰りましょう
ささやかな生活の声
どこそこに希み
カーブやうろこ模様
葉群のたわみ
それらを友にして
闇のようだ
来月で引っ越しでしたか
また来ます
くったくなく笑う
若奥さん
坂を下ると
家がある
公園がある
蜜柑の樹がある
母がいる
冬至のすぎた
店内には
電飾や色彩が
クリスマスを告げる
聖書をたずさえ
静粛な儀のようだが
いまのときめき
いまの交わり
はき違えていたとしても
幸せならばそれでOK!
暖めあって
いたわりあって
それぞれのサンタを
届けあって
そんな一夜で世界はGOOD!