フランドル君が来たので
僕はあいさつをした
あらかじめ
用意しておいた質問を
さっそく投げかけてみたけれど
彼は雨に濡れたコートを
気にしていて
聴き入る様子もない
(つづく)
シロという白
アカという赤
感情を抱かないよう
すべてに委ねて
ここに色があるように
物質を置く
ここに色がないように
色を置く
言葉がないように
言葉を置き
自分がないように
存在を置く
なにを考えているのだろう
山のことか
都会のことか
宇宙のことか
めぐり巡る季節のことか
あなたのこと
生や死
目の前にあるキャンパスのこと
血管のこと
私はなにかを考えている