私は仲間をさがしていた
寂しく 哀れで 耐えている姿を
それはまた
私もそうであることを
自ら慰めるための
さかしい習慣となっていた
そしてその廃滅具合をたしかめて
触れるのを
いつもためらった
ひそかに気づいていた
挫折の 不運の
無抵抗に見せかけた
勝利にも似た宣言の
自信だけは
剥がれ落ちていないことを
捨てられて
未来をも葬り去られた
アルミ缶の欠片の中に
私に足りないものが
無味無臭で問いかけてくるのだ
お前はどう生きるのかと
庭に一輪
近所の人が植えてくれた
気を抜いていたら
すでに夏
ふいに思いだす
三〇年前の星野富弘さんの詩を
ラジオから流れているはずの
甲子園の歓声
私には ひまわりの中から聞こえる
(「ひまわり」より)
そのとき私は見たのだ
星野さんが瑞々しく飛んでいる姿を
私は手をのばそうとした
いよいよ甲子園の県大会が
今年もまたはじまる
華やいだ通りに
七夕だったと気がつく
赤や黄の吹き流しはゆれて
短冊は回りながら
なびいている
その向こうは
剥きだしのままの鉄骨
なにかが落下して
人びとをおどろかせた
さらに向こうは空
梅雨のあいまの青空
願いが立ちのぼっていく
昼下がりの車内はまばらで
木漏れ日が流れていく
ともに揺られ
おなじ向きで
おなじ風景を眺めて
それぞれの想い
バリアフリー
社会参加と平等
そこに理由と意味はあるのか
○○病院前から
二丁目交差点
終点のアナウンス
いっしょにたどりついて
いっしょに降りる
一員であることに安心して
それぞれに散らばっていく
降りたてば初夏
積み重ね
それが大人になっていくことと
信じつづけて
ひとつひとつ境界をみつめる
出来ること
出来ないこと
手が届かないものがある
近づきたい
はなれたい
その先は一人ぼっち
いまだ貪りつづける
自由こそ束縛
束縛しているのは誰だ
ここにいない私
私という私
流されては
立ち止まり
見えるのはいつも
がらんどう