写詩之日々

写真と詩を載せています。

路上にて

2015-07-26 18:37:00 | ポエム・写真


私は仲間をさがしていた

寂しく 哀れで 耐えている姿を

それはまた

私もそうであることを

自ら慰めるための

さかしい習慣となっていた


そしてその廃滅具合をたしかめて

触れるのを

いつもためらった

ひそかに気づいていた


挫折の 不運の 

無抵抗に見せかけた

勝利にも似た宣言の

自信だけは

剥がれ落ちていないことを


捨てられて

未来をも葬り去られた

アルミ缶の欠片の中に

私に足りないものが

無味無臭で問いかけてくるのだ

お前はどう生きるのかと


おもいでの詩

2015-07-12 02:24:00 | ポエム・写真


庭に一輪

近所の人が植えてくれた

気を抜いていたら

すでに夏


ふいに思いだす

三〇年前の星野富弘さんの詩を


 ラジオから流れているはずの

 甲子園の歓声

 私には ひまわりの中から聞こえる

           (「ひまわり」より)


そのとき私は見たのだ

星野さんが瑞々しく飛んでいる姿を

私は手をのばそうとした


いよいよ甲子園の県大会が

今年もまたはじまる


七夕

2015-07-07 03:22:00 | ポエム・写真


華やいだ通りに

七夕だったと気がつく


赤や黄の吹き流しはゆれて

短冊は回りながら

なびいている


その向こうは

剥きだしのままの鉄骨

なにかが落下して

人びとをおどろかせた


さらに向こうは空

梅雨のあいまの青空

願いが立ちのぼっていく


ノンステップ

2015-07-05 00:27:00 | ポエム・写真


昼下がりの車内はまばらで
木漏れ日が流れていく
ともに揺られ
おなじ向きで
おなじ風景を眺めて
それぞれの想い

バリアフリー
社会参加と平等
そこに理由と意味はあるのか

○○病院前から
二丁目交差点
終点のアナウンス
いっしょにたどりついて
いっしょに降りる

一員であることに安心して
それぞれに散らばっていく
降りたてば初夏


がらんどう

2015-07-03 01:52:41 | ポエム・写真


積み重ね

それが大人になっていくことと

信じつづけて

ひとつひとつ境界をみつめる


出来ること

出来ないこと

手が届かないものがある


近づきたい

はなれたい

その先は一人ぼっち

いまだ貪りつづける


自由こそ束縛

束縛しているのは誰だ

ここにいない私

私という私


流されては

立ち止まり

見えるのはいつも

がらんどう