こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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団塊の世代に右往左往

2013-05-20 23:13:52 | 訪問看護、緩和ケア
2025年問題は、団塊の世代が後期高齢者になると、医療費やら介護保険費用がかさみ、少子化の進んだ世代にとてつもない負担を強いることになるし、国も支えきれないという問題です。
そのために、年寄りが病気になると病院や施設も満杯になり、経済的にも苦しい人達が、在宅に溢れかえるんじゃないかという予測の元、いろんな企業があの手この手で新規参入を図っているのは、前回も書いたとうりです。

国としても、その財源をどうまかなうかに、頭を悩まし続けていて、今回数年前に導入された要支援が、切り捨てられるという方針が決定されたわけです。
これって、あと3年後の改正時に変わるのだとはおもいますが、これは大変なことになりそうです。

もともと、介護保険開始時は要介護1から5までしかなかったのに、突然「要支援」なんてものができて、最初は私たちも戸惑いました。
なんでわざわざ・・。
予防が大事って言っても、なんだかしっくりこなかった私ですが、やがてそのシステムに慣れて、やっと定着した矢先だったような気がします。

第一、この要支援を開始するには、包括支援センターを作り、予防のためだけのソフトを開発し、記録も計画も予防用に作り、料金設定だって別にして、審査会でも一番ごちゃごちゃする段階です。

しかも、開けてみれば「近所の家にはあちこちお茶を飲みにはいけるけど、ひとり暮らしだし、膝が痛いから掃除はして欲しいのよね〜」とか、「あちこち病院にかかってて、バスで出かけるけれど、半日くらいリハビリで足腰弱らないようにしたいな〜。」
くらいの方まで、要支援1とか2とかがバンバンついてしまって、端で見ていて「なんでこの方は、要支援??」と思うような人までヘルパーさんが入っていたりします。

逆に、どう考えても大変、絶対要介護だよね・・という人が、要支援のままだったりと、その要介護1と支援2のあいだは、なんだかファジーな感じがしていました。


それでも、この制度で支援として、サービスを使って暮らされている方はたくさんいるわけで、これが切り捨てられたら、これは大混乱になるかもしれませんね。

要支援のサービスは、民間やボランティアを活用するということになっていますが、そんなにうまくいくのでしょうか・・。

第一、そんなにボランティアってないですしね。

今のところ、ゴミだしとか配食サービスは可能ですね。
買い物、配達は、昨今コンビニや大手スーパーでも始めましたし、生協の宅配などもあります。
ただ、低所得のお年寄りは、一度に買う量はとても少なく、毎回それを配達というわけにはいかないでしょうね。
こうなるとやはり、近所のちから、地域の力も必要となってきます。
掃除や調理は、出来るところは自分で、どうしてもできないところは、有償ボランティアなどを利用するか、ご家族や近所のかたに手助けしてもらうのでしょうか。

ただ、こういう状況でいつの間にか具合悪くて、誰にも気がつかれなかった・・ということのないよう、近所の声かけや安否確認は重要ですね。
そういうサポートネットワーク作りも必要なのじゃないでしょうか。

いつから開始になるのかわからないけれど、(3年後?)1年前には審査会から要支援を無くしていかないとダメってことですよね。

うーん。

こういうこと、何年かおきに始めたりやめたりって、本当にしんどいですから、お国の上の方々も、十分現場の声を確認してほしいなとおもって居るしだいです。

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