MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『CHATROOM』。

2011-05-24 14:39:55 | 映画日記
『CHATROOM』を観てきた。

中田秀夫監督の作品(ただしイギリスの映画)。
サイコ・スリラーやねー。

インターネットを介したお喋り、要はチャットってやつが舞台。
チャットの世界を巧みに映像にしている。
単なるお喋りのはずが、死への階段へと昇らされていく。

ネットを介したやり取りは、顔が見えないからこそ普段話せないようなこと、出来ないことでもやってしまいやすい空気になっている。
例えば、自分の自慰行為を配信する女性がいたり、もっと凄いのは自傷行為や自殺するその瞬間までを中継する人だっているようだ。
誰にも見られていない。でも、確実に見られている。
”シュレディンガーの猫”じゃないけど、閉鎖的でありながら開放的であるのが、インターネットの空間だ。
ネットは人と人を繋げながらも、人と人の距離を広げている。
相反する状態を1つの中に内包している。

先に示したような極例を出すと、あまりピンとこないかもしれないけれど、例えば電車の中なんかを想像して欲しい。
そこには沢山の人がいて、同じ時間と空間を共有している。
でも、大抵の人は隣に座る人のことよりも、目の前に立っている人のことよりも、携帯電話の向こう側の誰かを意識している。
今の社会はそういう世界なのだ。
便利だけど危険だ。
そばにいる人よりも、ネットに誰かの言葉が正しいように聞こえだしたら、気をつけたほうがいい。

この作品は、起こりうる、いや、もうどこかで起きている出来事なのかもしれない。