MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『お父さんと伊藤さん』。

2016-11-28 19:19:47 | 映画日記
『お父さんと伊藤さん』を観てきた。

今までやってきたこと、日課以上に自分に染み込んでいたものが急に漂白されたらどうなるか?
まわりのもの全てをひっくるめて漂白されちゃうかもしれない。
俺の親父は、教師を定年後、嘱託で仕事している。
親父は嘱託が終わっても、非常勤で教壇に立って教師をやりたいそうだ。バイタリティというか骨の髄まで教師だといえばいいのか、さすがにちょっと感心する。
だから、うちの親父は、多分漂白されることはなかろう。

でも、会社勤めを長く続けていた人はなかなかそうは行かない。
きれいに漂白されて、ボケてしまう人もいる。その延長上として万引きに手を出してしまう人もいる。
年老いれば、一人で暮らすことが難しいことも増える。そんな老人相手では家族の負担は大きい。
高齢化社会は実に下の世代に負担をかける。

同じようなテーマで、定年後の男性を描いた作品に『先生と迷い猫』があるけれど、『先生と迷い猫』の先生は町に入っていくが、今作のお父さんは徐々に孤立していこうとする。相談もなしにスパッと介護施設に入ろうと決めちゃう。
その分かれ道を作るのは『先生と迷い猫』では猫で、『お父さんと伊藤さん』では伊藤さんだ。
ああ、そうか。俺はやっぱり。。。
猫と伊藤さんは気づかせる。
ただ、伊藤さんは人間だから、家族全体に「仕方のない人たちだ」と言っちゃうけれど。

これから先、十数年はこの作品と類似した、場合によってはもっとひどい形で高齢者とその下の世代の軋轢、衝突が出てくると思う。実際、老害になっている人たちもいっぱいいる。
映画館で一番態度が悪いのは(見た目だけど)60歳以上の人たちばかりだ。
随分気が重い話だ。高齢化社会を作ったのは高齢者だし、少子化を作ったのは高齢者だ。
とはいえ、彼らに責任を求めるのも少し違う気がする。高齢者たちはその時出来る限りのことをしただけだ。
でも、確実にそのツケは僕達に回ってきている。

この映画はそれに答えを出してくれるわけでも、そのことを知らせる映画でもない。
でも、ひょっとしたら。。。ということを頭において観ると、なかなかのホラー作品だ。


2016年11月27日のつぶやき

2016-11-28 00:00:00 | twitter



  • 議員給与のカットにはどこの議会も突っ込んでいかない。これが不思議でならない。 https://t.co/jijTgw42Xr
    Posted at 09:37 PM




  • RT @Okkun231: 「この世界の片隅に」舞台挨拶。109シネマズ富谷。
    写真撮影してがんがんSNSで回してほしいとのこと。

    監督曰く「すずさんはいま91歳。いまも元気に広島カープの応援していますよ!」だって。「その時代だけ」でなく今と地続きの映画だよいう言葉が印象深か…

    Posted at 09:05 PM



  • https://twitter.com/kaoritokuyama