MARUMUSHI

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『毎日かあさん』。

2011-02-15 00:55:33 | 映画日記
『毎日かあさん』を観てきた。

西原理恵子原作の朝日新聞に連載されている漫画。
彼女の作品はここ一、二年で物凄い勢いで映画化されてる。
この人の漫画は、鶴見済が”小学生の野球で大人がホームランをかっ飛ばしているようなもの”と評してたけど、イイエテミョウ。。。

主婦の日常を描く漫画だから、単なるホームコメディーになるはずなのに、彼女の周りではそうはならない。
なぜだか強烈な個性を持った人たちが沢山出てくる。
その最たるものが、元夫の鴨志田穣(鴨ちゃん)。
戦場カメラマンというのは本当に過酷な仕事で、劣悪な環境からのストレスに耐え、自分の身を守るためにリスクを最小限にするなど24時間気が抜けない。
彼は長い間、そんな仕事を続けてきた人だ。見たくない光景も嫌というほど見たんだろうな。
その事もあって、彼はどこかが壊れてしまったのかもしれない。
アルコール中毒になってしまったのも、そういった影響が色濃いんだろう。
でも、長い間その病と戦い続けた。
家族、特に子どもたちにもう一度会うために彼は自分と戦って最後には勝った。
けれど、別の病気に犯されてしまい、平穏な時間は長くは続かなかった。

薬の影響からか丸坊主になった鴨ちゃんは、家族の写真を撮りながら涙を流す。
悲惨な世界を見てきた彼は、たぶん神様なんて信じてなかったと思う。
でも、確実に朽ちていく身体を感じながら、もう少しだけ、と祈ったはずだ。
誰もいない部屋の様子を写真に撮る。
当然、その写真には誰も写らない。散らかった部屋、脱ぎ散らかされた靴。でも、確実にそこには家族がいるとわかる風景。
愛する(元)妻に感謝の言葉を告げて、彼はこの世を去っていった。
沢山の写真と、自分の子どもを残して。




夫婦っていうのは不思議な関係だと思う。
元々は何の所縁もない。
血の繋がりも無い。
でも、相手に全幅の信頼を寄せる。そんな男女を繋ぐ不思議な関係だ。
その関係が崩れた時、離婚という形で2人は離れる。

西原理恵子、鴨志田穣は元夫婦。
この映画のキャストの小泉今日子、永瀬正敏も元夫婦。
概ね、離婚っていうのは良いことじゃない。
でも、元夫婦って、相手の事を知り尽くした果ての形だから、お互いの事を良い所も悪い所も、もっともよく知り合った2人と言えなくもない。
そう考えれば、元夫婦は夫婦以上のパートナーなのかもしれない。


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