甲子園きっぷ  yama’s stadium☆彡

~球児たちの あしあと~

太陽のように輝くラストボールを!~軽井沢高校野球部 磯山洋介選手の最後の夏~

2016-06-10 | 2016 夏☆甲子園



ここにも一人、想いいっぱいの夏を迎えようとしている球児が居る。

長野で一番早く夏を終える球児・・・

長野県軽井沢高校野球部三年生 磯山洋介選手

磯山選手のことは、軽井沢高校野球部 漆原監督さんの「監督ブログ~軽井沢で叫べ~」で知りました。

たぶん・・・

野球人にとって、一生の思い出、宝、人生の糧となるだろう高校野球の最後の夏。

甲子園出場を目指し夢見て、汗や泥にまみれながら懸命に練習を積んできた二年半を

球児たちは三年生最後の夏に、その全ての力と気持ちを注ぎ、

47 / 1 の甲子園きっぷを掴むため、各都道府県の選手権大会予選へ挑む。

しかし、その挑戦へも立つことも許されない高校球児が居ることを知り、

その意味を深く考えると共に、その選手にとっての最後の夏を遠くからではありますが

応援したいなという気持ちで、漆原監督さんの「監督ブログ」から、磯山選手の高校野球の記憶を

甲子園きっぷに残したいと想い書かせて戴きました。

漆原監督さんの許可も得ずに「監督ブログ」からの言葉の転写となり、監督さんには怒られそうですが・・・

同じ夢見て甲子園を目指す全国の高校球児の選手たちの中には、ベンチ入りができず心沈む選手や

我が子がその夢叶えられず悲しむ親御さん方も多く居られると思いますが、

この磯山選手のように、それすら叶えたくても叶えられない選手が居て、

それでも毎日、野球を諦めずがんばっていることを知って戴けたなら、

少しでも、勇気や元気、やる気を感じてもらえるように思いますし、

磯山選手にも同じように最後の夏、太陽のように輝く夏にしてもらいたい・・・

大きな気持ちを乗り越えて最後の夏を迎える一人の高校球児がいることを知って戴きたい・・・

そんな気持ちで、監督さんの言葉をお届けしたいなぁと思います。




長野県 軽井沢高校野球部 『監督ブログ~軽井沢で叫べ~』より

~長野県で一番早く引退する選手~

あと一ヵ月と少しで夏の大会が開幕する。
今年もそれに向けてそれぞれの高校球児が毎日練習に励み、甲子園を目指している。

私も高校時代も必死に練習をし、甲子園を目指していた。
そんな私が現在は高校野球の監督をやらせていただき、高校野球に関わることができている。
そして、高校の監督になって初めて、高校球児にはそれぞれの夏があることを強く知った。

残念ながら軽井沢高校は人数不足、そして人数不足の他校と合わせても9人に届かず、連合チームでの参加も不可能という状況で、
今年の夏の大会を辞退することとなった。
私が高校生の時にも、自分自身が夏の大会に人数不足で出場できないということを想像したこともなかったし、もちろん経験もしたことがなかった。
しかし、長野県内も、長野県外も、人数不足で参加できないチームが毎年あり、夏の大会を経験できずに引退していく高校球児はいたはずだ。
現在は、連合チームでの公式戦参加が認められ、そういうチームは減ってきたかもしれない。
私自身が監督となり過去4年間で夏の大会には軽井沢高校は最初は臼田高校、次は屋代南高校と連合チームを組ませていただき、
2回夏の大会に出場している。
しかし、人数不足での出場辞退も2回目である。一回目は一年生しかいなかったので、
最後の夏になる者はいなかったが、今回はそうではない。
つくずく自分の力不足を感じる夏となった。

本校野球部の三年生は一名、磯山洋介。
「最後の最後で公式戦に出れないのは悔しい。」
その無念の気持ちは、事実を本人に伝えた時、眼に涙が溜まっていた様子からも伺えた。
非常に残念な結果となってしまった。

彼自身、昨年の夏終了後、先輩たちが果たせなかった公式戦勝利を胸に、一つ下のマネージャー一人と野球部の活動を続けてきた。
秋には北部高校と中条高校の協力もあり、連合チームとして公式戦に出場、共に戦わせていただいた。
秋が終わった後、先が見えない状況で彼の心も折れかけ、冬休み前にやめたいと、私のもとにやってきて、
1ヵ月近く私や部長の遠山先生と話し合いをした。
やろうと再び決心し、冬場は高野連に申請をし、北部高校と中条高校との練習を春の大会に向け再開した。
昨年の夏休みから通った北部高校、中条高校は片道約90キロ~97キロ。
時間にして片道一時間半以上、往復で三時間以上の道のりだった。
私自身もこの距離を夏休みはほぼ毎日、それ以外は土日祝日は基本的に合同練習で通うという今までしたことがない経験をし、
いろいろなことを考えたり感じたり、選手と話をしたりすることができたように思う。
車の中の様子や練習の様子を見ても、選手やマネージャーは常に同じ様子ということはなく、
戦う姿勢が強く感じられることもあれば、落ちていることもある。

そんな中、何が一番ベストかに頭を悩ませながらやってきたことも事実だ。
特に部長の遠山先生とはいろんな話をし、チームとしてのベスト、部員に対するベスト、何がベストかを話すことも沢山あった。
車の中やグラウンドでの選手との会話や接する機会から少しでもヒントを得ようと、それを元に状況に合ったものを考えてきた。
もちろん揺るがしてはいけない部分は沢山あるけれど、自分の中で処理できることにこだわらない、押し付けないことも大切だと痛感したこともあった。
途中で何が一番ベストかわからなくなりそうな時もあった。
でも悩んだ末、決断をする時に覚悟が決まっており揺るがなければ、それはベストになると信じている。
そんな経験を通して自分自身は大きく成長できたと思う。
今自分が考えていることや、やろうとしていることはもしかしたら、周りから見たら大したことではないかもしれないけど、
間違いなく過去の自分よりも変化をしているし、前に進んでいると信じているし確信している。
選手のベストになっていることを信じている。
選手のためにと思ってやってきたことも最終的には自分を大きく成長させた。
辛くてもやめる選択を最終的にはせず、ついてきた二人の部員がいたから、今の軽井沢高校野球部がある。
だから本当に部員たちには感謝したい。

様々なことを乗り越え、今春の大会は磯山自身初となる公式戦での安打も記録し、忘れられない試合となった。
その結果彼には自信がついた。
学校生活も以前より堂々としているように思うし、行動も考え方も変化があった。
自信というのがどれだけ大切なことか、強く感じた。
人は成功から大きな成長をする。
だからこそ、それが最後の高校野球の公式戦になってしまったのは本当に残念だ。

しかし、そんな彼の継続が実を結び、長野県高野連のご配慮で夏の大会の開幕式入場行進の先導と、
開幕試合の始球式をさせていただけることになった。
本人にとっても、夏の大会を迎えるまでの目標ができたことは非常にありがたいことであるし、
野球部としても同様にありがたいことで、心から感謝をしたい。
ただ、磯山以上の努力をしている高校球児は間違いなく沢山いる。
だからこそ、恥じない始球式、先導を全うしてほしい。

高校球児一人ひとりに様々な夏がやってくるが、軽井沢高校磯山洋介の夏も一つのかけがえのない夏になる。
軽井沢高校野球部として、感謝の気持ちを本気で感じながら、これから夏の開幕に向け活動を継続していきたいと思う。
 
支えてくださる皆様、本当にありがとうございます。
行動と、意志でその気持ちをしっかりと示せるチームでありたい、そう思います。


監督さんのブログにもありましたが、磯山選手は今夏の選手権長野大会に於いて、

開幕式入場行進の先導、開幕試合の始球式を務めます。

全長野球児の想いを込めて、先頭を行進する磯山選手の最後の夏を見届けてあげて戴きたいなぁと思います。

そして、長野はまだ対戦抽選は終わっていないですが、開幕戦に当たるチームの選手のみなさん、

スタンドの応援者のみなさん・・・

長野で一番早く終える球児の輝く夏に、ぜひ惜しみない拍手を贈ってあげて欲しいなぁと思います。


磯山選手、素敵な監督さんと出逢えて一生心に残る高校野球となりましたね!

磯山選手の高校野球ラストボールは、磯山くんだけじゃなく、

支えて下さった監督さん、部長さん、顧問の先生、そして同志であるマネージャーさんにとっても

一生の思い出、輝く一球となることでしょう

そして、今年入部した山口選手、新マネージャーさんにとっても、

これからの二年半への力、希望となる一球になることだろうと思います。

磯山選手へ・・・

一意専心

輝く心で、最高に輝くラストボールを!


軽井沢高校野球部HP

軽井沢高校野球部監督ブログ~軽井沢で叫べ~

軽井沢高校野球部 マネブロ



最後に・・・

軽井沢高校野球部 漆原監督さん

ブログからの文章、写真転写、どうぞお許し下さい。