隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

上海城市新聞Vol.22 『天の果て、海の果て』 (その9)

2013年05月21日 | 上海城市新聞

上海城市新聞Vol.22『天の果て、海の果て』(その8)はこちらです⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e5735327cd7b14c5d26954eff43395cc

 

   写真をクリック・タップすると拡大画像が表示されます。



海南島旅行3日目の午前中は、翌日の「海口」行きの切符を購入後に、11:40まで『三亜站(駅)』2Fの待合室にてコーヒー を飲みながら寛いでいました。

 

さあ、いよいよ今回の海南島旅行の一番の目的地『天涯海角』に向けて出発です!

 

『天涯海角(Tianya-Haijiao)』は、日本語では、“天の果て、海の果て”を意味し、三亜市内から西に約26kmの海岸にある奇岩に、この文字が刻まれています。

 

昔、中国の政治家達が、流刑の地であった、海南島にたどり着き、望郷の念から、文字通り“天の果て、海の果て” であるこの地を『天涯海角』と詠んだとされています。

 

現在、この一帯は、『天涯海角景勝地』と呼ばれて管理・保護されています。

 

『三亜站』が始発の26路のバスが『天涯海角景勝地』を通ると事前に調べていたので、駅舎の前にあるバス亭に向かいました。

 

26路バスのバス亭は、改札出口から一番近い場所にありました。「海口市」や中国本土から列車で三亜に来た観光客が利用し易いと言う配慮からでしょうか。

 

改札出口から吐き出された乗客が次から次へとバスに乗り込んで来ます。

 

満席になった11:50にバスは出発しました。

 

このバスの正式名称は、「三亜29路公交旅游专线((専用路線)」と呼ばれ、三亜市内は走るバスと異なり、観光バスタイプの車両を使用しています。

 

三亜市内には、バスは30数路線走っていますが、近距離は1元(約17円)の定額料金のワンマンカーで、車掌さんは乗務していません。

 

乗客は乗車時に料金箱に乗車賃を投入します。見ていると、乗客のほとんどが1元硬貨ではなく、1元札を投入しています。

 

「三亜29路公交旅游专线」には、女性の車掌さんが乗務していて、発車して間もなく、料金を徴収しに来ました。

 

『天涯海角景勝地』までの料金は、5元(約85円)です。

 

車掌さんは、「天涯海角の入場料は150元(約2,500円)だが、码头(埠頭)から船に乗ると120元(約2,000円)で行ける」と言います。

 

前日の『南山文化旅遊区』から乗ったバス の車掌さんと同じ事を言います。

 

言っている意味が良く理解出来なかったのですが、同じ事を2回も言われたので、車掌さんのお薦めに従ってみることにしました。

 

バスは20分程で、『天涯海角景勝地』前に停車しました。

 

降車しようとすると、車掌さんに止められて、「ここではない。次のバス亭で降りろ!」と言われました。

 

ますます混乱してしまいましたが、取りあえず言われるままに次のバス亭で降りることにしました。

 

『天涯海角景勝地』バス亭から約2~3km走った『天涯郵政(郵便局)』でバスを降ろされました。

 

バスを降りると、道路に三輪バイクタクシーが数台停まっています。

 

Dsc_0127

【三輪バイクタクシー】

 

車掌さんが、「免費(無料)だからその三輪バイクタクシーに乗れ!」と指示します。

 

訳の分からないまま、三輪バイクタクシーの座席に座ると、海岸の方に向かって走り出します。

 

2~3分と走らない内に、海岸に到着しました。

 

Dsc_0128

 

すると、ここ一帯を仕切っていると思われる女将さんが、三輪バイクタクシーの運転手に2元(約33円)を渡しています。

 

バスの車掌さんは、「■(石へんに馬)頭(埠頭)から船に乗る」と言っていましたが、目の前の海岸線には、埠頭も観光船もなく、何台もの小型モーターボートが砂の上に乗り上げているだけです。

 

Dsc_0130


 

沖合には、何台かの小型モーターボートが高速で走り回っています。

 

キツネにつままれたような気分で、海岸に下りていくと、ボートの船頭と思われる男が近づいてきて、ボートに乗るのかと聞いてきました。

 

料金は、バスの車掌さんが言っていたように、120元(約2,000円)です。

 

今回の海南島への旅は、旅行会社を通さずに、飛行機もホテルもインターネットで予約しました。

 

もし、ここで事故に遭っても誰にも判りません。

 

不安になって、一旦は『天涯海角景勝地』まで海岸線を歩いと行こうとしました。

 

すると船頭がしつこく「ボートに乗れ乗れ」と勧めます。

 

そこでダメ元で、100元(約1,670円)なら乗ると言うと、あっさりと「100元でいいよ」と言われてしまいました。

 

これでもう後戻りが出来なくなってしまいました。

 

言われるままに、救命胴衣を身に付け、ボートに乗り込みました。

 

他の船頭と2人で、ボートを砂浜から海に押し出します。

 

Dsc_0132

 

ボートは直ぐに猛スピードで、『天涯海角景勝地』の海岸目掛けて突っ走ります。

 

波にお構いなしに突っ込む度に、ボートが飛び上がります。

 

必死になってボートのヘリを掴んでいました。

 

数分で、『天涯海角景勝地』の海岸に着きました。

 

Dsc_0136

 

目の前には写真で見た奇岩があります。

 

けれどもボートは、海岸に着岸せずに、砂浜から数メートル離れたとことでエンジンを止めました。

 

Dsc_0148
【ボートから降りられません】

 

船頭が「あの岩が『天涯石』で、この岩が『海角石』。むこうが『愛情石』」とか説明してくれるのですが、頭もパニクっているし、船頭の普通話(標準語)に訛りもあるので、言っていることの2~3割位しか判りません。

 

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【前方が「天涯石」】

 

Dsc_0161

 

揺れるボートの上から写真を撮り終わると、エンジンをかけて、少し沖の方の岩に向かいました。

 

ここでもエンジンを止め、ボートは沖合の波に漂います。

 

青い海と空。その青い空を、三亜国際空港に着陸する飛行機が飛んでいます。

 

Dsc_0174

【沖合の岩。右上空に飛行機が飛んでいます】

 

香港を出発してから、日本人には一人も遭っていません。従って、日本語も一言も話していません。

 

何故か急に、本当の“天の果て、海の果て”に来ているんだと言う実感が湧き上がってきました。

 

暫く感傷に浸っていると、船頭がエンジンをかけて、元の海岸に向かって、再び全速力で走り出しました。

 

元の海岸に近づくと、船頭が「しっかりボートのヘリに捕まっていろ!」 と命令します。

 

何事が始まるのかと思っていると、ボートは速度を落とすことなく、そのまま海岸に乗り上げました。

 

まるでアクション映画の1シーンのようです。

 

乗船から下船まで約30分間の異次元の体験をしました。

 

ボートを降りると、土産物売りの女性が近づいて来ます。

 

普段は、観光地で物売りから土産を買うことはないのですが、この時は、「生きて帰れた!」と言う思いからでしょうか、貝で出来たネックレスを買い求めてしまいました。

 

海岸から上がると、果物屋の屋台がありました。

 

Dsc_0182

 

ここで人生初体験の生のココナッツジュースを飲みました。

 

屋台のオバさんが、鉈(なた)でヤシの実に穴を開けてくれ、それにストローを刺して中の果汁を飲みました。

 

Dsc_0184

 

値段は1個(1杯) 8元(約130円)です。

 

正直言って、生臭くて美味しくはありませんでした。

 

尚、モーターボート及び、ココナッツジュースの体験ビデオはこちらをご覧下さい⇒ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4e7f0416458a0740f66b9e95ab061817

 

 
==== 続きは、上海城市新聞Vol.22『天の果て、海の果て』(その10)で====

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