隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第189作品目は、『隠し剣 鬼の爪』をお送りします。
『隠し剣 鬼の爪(かくしけん おにのつめ)』は、2004年10月30日に公開された時代劇映画です。配給は、松竹。上映時間は、131分。
「隊長のブログ」では、時代劇映画を、これで十作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの一覧をご参照下さい 。
原作は、藤沢周平の時代小説「隠し剣鬼ノ爪」、「邪剣竜尾返し」、「雪明かり」。
「隊長のブログ」で取り上げた、藤沢周平さん原作小説の映画化作品の記事一覧は、こちらをご覧下さい 。
監督は、山田洋次。同監督による、『たそがれ清兵衛』、『武士の一分』と並ぶ、「時代劇三部作」の第2弾です。
脚本は、山田洋次、朝間義隆。
ブログで、山田洋次さんの作品を、これで13本を取り上げたことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
音楽は、冨田勲。
主演は、永瀬正敏。
永瀬正敏さんが出演した映画は、2006年8月公開 『紙屋悦子の青春』 、
2015年1月公開 『KANO 1931海の向こうの甲子園』 、
2015年5月公開 『あん』 、
の三作品を紹介しています。
共演者は、松たか子、小澤征悦(ゆきよし)、田中邦衛、吉岡秀隆、田畑智子、田中泯(みん)、高島礼子、笹野高史、緒形拳、倍賞千恵子、ほか。
松たか子さんが出演する作品を、これで七本を紹介したことになります。詳細は、こちらを覧下さい 。
あらすじ:東北の小藩である海坂藩(うなさかはん:架空)平侍であった片桐宗蔵(永瀬正敏)は、裕福ではありませんでしたが母(倍賞千恵子)と妹の志乃(田畑智子)と下働きのきえ(松たか子)との暮らしは幸せでした。
しかし、次から次へと、母が亡くなり、妹ときえを嫁に出して一人になってしまいます。きえは宗蔵を好いていましたが、身分違いの恋とあきらめて嫁に行ったのでしたが、嫁ぎ先で惨い仕打ちにあっていました。宗蔵は、同僚の島田左門(吉岡秀隆)を伴い、嫁ぎ先を訪れ、強引にきえを家に連れ戻します。
そんなある日、逃亡した狭間弥市郎(小澤征悦)を討つよう、家老の堀将監(緒形拳)より藩命がくだります。。。
感想:時代劇のテーマとして取り上げられることの多い、下級武士の悲哀が溢れる物語。但し、最後に、勧善懲悪し、ハッピーエンドで終わり、スッキリするストーリーです。
さすが山田洋次作品です。時代考証、殺陣(たて)、衣装、所作、など手抜きが一切ありません。
例えば、きえや志乃が家に上がる時に、持参の雑巾で自分の足を拭くシーンがありました。身分の偉い人が、家に上がる時に、洗い桶で足を綺麗にしてもらうのは、よく目にしますが、持参の雑巾で自分の足を拭くのを始めてみました。
永瀬正敏さん、平侍の我慢、忍耐、命令服従の悲哀を全身で表していました。
松たか子さん、決して煌びやかな着物を着ている訳ではないのですが、凛とした美しさが光っていました。松さんは、本作の演技により第28回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞に輝いています。
『たそがれ清兵衛』では、清兵衛(真田広之)に討たれる謀反人の役を演じた田中泯さん。本作では、宗蔵の剣術指南役・戸田寛斎を演じていましたが、宗蔵が弥市郎を討つ秘策を請いに訪れた時、準備運動であろう、うさぎ跳びの恰好で剣を打ち下ろす、身体能力の高さには驚きました。さすが、国際的舞踊家ですね。
宗蔵と弥市郎の一騎討ちの場面も、息を呑む迫力がありました。集団合戦の殺陣も良いですが、一対一の真剣勝負には見入ってしまいます。
ラストシーン近くになって、初めて剣術『隠し剣 鬼の爪』がどんなものか分かり、タイトルの意味を納得しました。
最後になりますが、この映画が公開されてから18年が経ちました。キャスト・スタッフの中に、鬼籍に入られた方がいます;
緒形拳、光本幸子、 冨田勲、ほか (敬称略)。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
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Film1~175 省略
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