隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第148作品目は、『SHADOW/影武者』をお送りします。
『SHADOW/影武者(中国語原題:影)』は、2019年10月6日(金)から全国公開(中国公開:2018年9月30日)されている中国映画です。
尚、「隊長のブログ」では、中国映画を、これまでに、12作品紹介しています。詳細は、こちらの記事一覧を、ご参照下さい 。
監督・脚本は、中国映画界の巨匠 チャン・イーモウ(張芸謀)。
「隊長のブログ」で取り上げた、チャン・イーモウ監督作品一覧は、こちらをご覧下さい 。
キャストは、ダン・チャオ(鄧超)、スン・リー(孫儷)、チェン・カイ(鄭愷)、ワン・チエンユエン(王千源)、ほか。
本作品で夫婦役として共演しているダン・チャオとスン・リーは、実生活でも2010年に結婚した夫婦です。
スン・リーさんの略歴・出演作などは、こちらをご覧下さい 。
あらすじ:弱小の沛〈ペイ〉国は、領土の境州を奪った強大な炎国と休戦同盟を結びましたが、それから20年、国民はいつまた攻めてこられるかと脅える日々を送っていました。沛国は、若き王 (チェン・カイ) を筆頭とする平和派と、重臣の都督〈トトク〉(ダン・チャオ) に従う開戦派に分かれていました。
ある時、都督は王の許しを得ず、炎国の楊蒼〈ヤン・ツァン〉将軍に境州での対決を申し込む。王は激怒するが、高貴で知略に富み、国民からも尊敬される都督を前にすると、責める言葉もなくなっていきます。先王が早死にし、妹と二人の自分が王位に就けたのも都督のお陰だったからです。王は矛先を変えて、琴の名手と称えられる都督と、妻の小艾〈シャオアイ〉(スン・リー)に合奏を命じますが、小艾は「境州が戻るまで琴は弾かないと天に誓った」と頑なに拒むのでした。
それもそのはず、王の前にいるのは都督の影武者・境州(ジン・チョウ)でした。母と生き別れになり、飢えて行き倒れていた8歳の彼を都督の叔父が拾ってきて、影武者へと育て上げたのでした。1年前、都督が刀傷から病になったことを隠すために、いよいよ影武者の登場となったのですが、顔が瓜二つの彼に王さえ騙されていました。境州の奪還計画を進める都督は、境州出身の影武者に「楊蒼を殺せば、自由の身だ」と約束しますが。。。
感想:現在、日本公開中の中国映画ですが、観たのは劇場ではなく、7月に 中国上海に旅行した際の機内 です 。
邦題が『SHADOW/影武者』となっていたので、黒澤明監督の世界的名作『影武者』のオマージュ作品かと思いましたが、中国語の原題が『影』となっている様に、黒澤明の作品とは異なる、チャン・イーモウの世界観が全面開花した作品です。
水墨画の様な映像美と、180度異なる、スリリングなアクションの戦闘シーンの対比は見事です。
特に、小艾役のスン・リーは、女性ながら過激なアクションシーンを舞うがごとく演じています。それもそのはず、2004年に日本でオンエアされたサントリーウーロン茶のテレビCMで、既に身体能力の高さを見せていました。
映像美と、アクションシーンは評価出来るのですが、黒澤明の『影武者』の様な、影武者の悲劇な運命が充分に描ききれていない感がしました。
チャン・イーモウ監督作品としては、物足りないですね。
2022/3/28 追記:DVDをレンタルして、2年半ぶりに『SHADOW/影武者』を観ました。
改めて観て、「黒澤明の『影武者』の様な、影武者の悲劇な運命が充分に描ききれていない感がしました」とのコメントを訂正させて下さい。この映画のテーマは、“陰と陽”です。充分に影武者・境州(ジン・チョウ)の“陰と陽”を描いています。
「チャン・イーモウ監督作品としては、物足りないですね」も同様です。同監督、お得意のワイヤーアクションも、2004年公開の 『LOVERS』 などの初期のワイヤーアクションから、本作は格段に進化しています。
さらに、人物以外は、モノトーンで、水墨画の様な映像美が見事でした。チャン・イーモウ監督作品として、その奥深さを再認識しました。
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Film1~135 省略
Film136 2018/12/20『Taxi4』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b4c34d387c141f0ff9df7df1449f7ec6
Film137 2019/1/15 『伊豆の踊子(昭和38年)』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4e78c8e001d543cebaee9d704fa50f67
Film138 2019/2/14 『遙かなる山の呼び声』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/35951db56d912eb61271dbfea08ca44c
Film139 2019/2/28 『明日に向って撃て!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8ac3e850f5ead3d1d77044082040ec13
Film140 2019/3/6 『グリーンブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/41fa9f5b3cda1fe4efd7db96be00b173
Film141 2019/4/17 『芳華-Youth-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ba7c3d70185efca9a6a2548e2349c814
Film142 2019/5/5 『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3d7b8668b52cea8fc68dc2ef910322e3
Film143 2019/5/19 『コラテラル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d5f083dad2dfff12ddda9a2c1ef46b2e
番外編 2019/5/31 『訃報:降旗康男監督』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/788dfef3a9feda5273c9cb83a1b2c0a0
Film144 2019/6/11 『The Crossing -ザ・クロッシング- PartI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/849e6b791556b4146f769632abbc9c5a
Film145 2019/6/19 『スティング』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4f4577d7ea995b940026fa793953ecea
Film146 2019/6/25 『The Crossing -ザ・クロッシング- Part II』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f2e6de828b75a52aec7f61f0a3b670f7
Film147 2019/8/31 『ロケットマン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/181e562234e904a24b783105a5a56387
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