隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第45回は、『これぞ暁斎!』をお送りします。
『ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力』と題した展覧会に行って来ました。
会場は、東京・渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」。
同所を訪れるのは、昨年2月の『英国の夢「ラファエル前派展」』⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bf5d69c6776f5769c3e3749233fb2f0e 以来、三度目です。
河鍋 暁斎 (かわなべ きょうさい) は、幕末から明治にかけて活躍した狩野派絵師です。
幼い頃に浮世絵師の歌川国芳に入門したのち、狩野派に学び19歳の若さで修業を終え、さらに流派に捉われず様々な画法を習得しました。
仏画から戯画まで幅広い画題を、ときに独特のユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げた暁斎。
本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品によって、多岐に渡る暁斎作品の全体像を示します。
暁斎に興味を持っている隊長にとって、“待ちに待った” 展覧会です。
彼にたどり着くまでには、ストーリーがあります。
最初に興味を持ったのは、東京駅の設計をした辰野金吾⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/75b1e9218e19de848211310085e14d60
その辰野金吾の先生だったのが、英国人の建築家ジョサイア・コンドル(暁斎は、コンティルと呼んでいた)⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b9490a5a9185b1fd876b7fe5c05c121e
コンドルに興味を持ち、東大構内にあるコンドル博士の像⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e38578380f77763d5e24195efc306c2 を見に行ったり、彼が携わった建築物を見学しに行ったりしました。
そのコンドルが魅了され弟子入りしたのが、暁斎⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/38914b78753b42d2f63a18935f26bcd7 でした。
つまり、辰野金吾の建築の先生がコンドル、コンドルの日本画の先生が暁斎ということになります。興味を引く繋がりですね。
入り口で、“音声ガイド” 520円 (税込) を借りました。“音声ガイド” のナビゲートは、笑点⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3bd3d6a5d708e3cf840c6b67811b7296 の新司会者としても活躍する、落語家の春風亭昇太さん。
館内は、序章「出会い ゴールドマン コレクションの始まり」、第1章「万国飛 世界を飛び回った鴉たち」、第2章「躍動するいのち 動物たちの世界」、第3章「幕末明治 転換期のざわめきとにぎわい」、第4章「戯れる 福と笑いをもたらす守り神」、第5章「百鬼繚乱 異界への誘い」、第6章「祈る 仏と神仙、先人への尊崇」と、テーマごとに展示されています。
さらに、番外として「春画作品」が展示されているコーナーまでありました。仏画、山水画、戯画、などさまざまな画題を描いた暁斎ですが、春画までとは意外でした。
特に興味を惹かれた作品は、第3章の「墨合戦」。この絵は、幕末の江戸にある相馬藩の屋敷で年に一度、筆を持って墨を掛け合って戦(いくさ)ごっこをしている姿が描かれています。
お堅い筈の武家屋敷の中で、こんな無礼講が行われていたとは、驚きです。
同じく第3章の「五聖奏楽図」と題した作品。東西古今の五人の聖人が描かれ、真ん中には磔(はりつけ)にされたキリストの姿が。そのキリスト、ちっとも苦しそうな表情をしていません。
最後は、第5章の「進化百物かたり」。おどろおどろしい化け物たちの中に、エイリアンの様な物が描かれています。近年の映画などに登場するエイリアンは、この暁斎の絵をモデルにしているのではと思わせます。
すべての作品を見て回るのに、たっぷりと二時間がかかりました。
尚、同展覧会の会期は、4月16日(日)迄です。
===「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7
1~30課 省略
31課 2015/11/9 『佐藤優 哲学塾公開講座』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/959cf1917bae890de1150683b1b1bfb3
32課 2015/11/14『文京ふるさと歴史館』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e18dee817a63203b0691792ac401a1b
33課 2016/1/8 『レポート「日本語教育の目的」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/033e9429ff4fe768ac2733c04b1eba1e
34課 2016/2/15 『中学校新校舎見学』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/eb41553788cbd7cc28ec992ade640ceb
35課 2016/2/29 『英国の夢「ラファエル前派展」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/bf5d69c6776f5769c3e3749233fb2f0e
36課 2016/3/18 『東京からの恩返し~飲んで福島を元気に~』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e539412b2672ecbb8e1f39826dd3ea11
37課 2016/4/5 『英語の辞書』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/18fcdafd0f8ed88cef8c81dc28c0af0b
38課 2016/4/29 『貨幣博物館』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/64fa8bfb1977543a9fceee355cbe0840
39課 2016/5/5 『「REVALUE NIPPON PROJECT 中田英寿が出会った日本工芸」展』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/11addb43f7b97097a81b49c03cda41cd
40課 2016/7/21 『あうるすぽっと 舞台講座』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/198760f8babdde0040e844631342d453
41課 2016/7/30 『真砂中央図書館リニューアルオープン』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fcbb21e9ffb2fd03b97f50c9145e57a9
42課 2016/11/11『講演 高田明 ジャパネットたかた前社長』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/829a292c335d0cd1fe0a4d49b8880c04
43課 2016/12/9 『ゴッホとゴーギャン展』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ea3be452584eca1319bbbbaa90b321fb
44課 2017/2/27 『講演 原田規梭子 東洋学園大学学長』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/68a8c27cb9fcbaa35d9531d1b43a4262
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