ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

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古来伝承の手仕事

2008年01月17日 | 楽時々益


【 太陽酒造のこだわり 】

  純米酒のみを醸造する。
  加水・アルコール添加は行なわない。
  蒸米は甑を用いて直火で蒸す。
  発酵は低温の吟醸造りで行なう。
  火入れは壜燗・冷蔵で保管する。
  全て木槽で搾る。
  本質重視のため華美な包装はしない。

以上、
古来から伝承される手仕事を守り通し本物の日本酒の味を現代に伝える。
                               (リーフレットより抜粋)




今回、明石へ行った最大の目的は 「明石の酒蔵」 を見ることでした。

もう、何年前になるでしょうか ・・・ あの地酒ブームの頃、お正月休みで
実家に帰省する時に、当時、ブームになった淡麗辛口の地酒を数本、親父に
みやげで持って帰りました。しかし、親父は正月ということもあるのですが、
基本的に “日本酒は燗かヒヤ(常温)で!” という人間です。
“冷蔵庫で冷えきった酒を正月から飲めというのか ・・・ ” という顔をされるのが
オチです。

で、私は親父に付き合って熱燗を ・・・ いつもはNBの清酒(○○宗や○○盛)が
定番なのですが、たまたま進物で戴いたお酒をお袋が今正に漬けていたので、
お猪口で一杯。 “なんやこれ!おぉ~ えぇ~ うっまいなあ ・・・!” と思わず声を
上げてしまいました。口に含んだ時の上品な香りと舌触り、喉元を通り過ぎる時に
感じる得も云われぬ広がりのある柔らかさは何だったのか ・・・ 。

もう一度、味わいたい ・・・
重要な問題が一つ ・・・ 銘柄を憶えていません!( ガ~ン! )
印象としては、ひや(常温)で飲むと燗で飲んだ時ほどの特徴がなかった。
いわゆる、「燗上がりする酒」 だったのだと思います。明石の酒だったことは
ハッキリと記憶していますが ・・・ 。
明石市 ・・・ やはり所在地があやふやです。( 困った! )
ということで、とりあえず明石へ向かいます。

まず、一番可能性のある 「太陽酒造」 へ向かいました。今回は愛車の
エス( Taiseimaru 05 )で、名神・阪神・第二神明道路を経由です。ここ最近
調子が上がってきた NAVI も作動。
( 過去、散々コケにされてきたカーナビですが、最近はわりと活躍しています。)
変な話ですが最近、NAVI の言葉数が増えました。以前は案内開始後、
数分何も語らないかと思いきや、突然 “この先直進方向です!” と
自信たっぷりに強い口調 ・・・ 結果は、その先行き止まり!です。“なんでや!”
( さすがに温厚?な私も、そこそこ腹が立ち数ヶ月電源を切ってました!)

通常、無難で大きな道を選択してナビゲートする可能性が高いのですが、
今回は、マニアックというか、ディープというか、とんでもないような地道を
ナビゲートしてきます。( 運転してて久々に腰が浮きました!嫌いではありません )
そんなこんなで、何とか 「太陽酒造」 に到着です。表現は悪いですが、
印象としては、小さくて古ぼけた建物の蔵です。( スミマセン )

もう数メートル南へ行けば海(江井ヶ島海岸)だからか、少し潮の香りがします。
家(蔵)の前の広場に車を止めます。蔵の女将さんでしょうか、先客の若い
(25~6歳くらい)男性の接客中です。その隙に私は建物をデジカメでカシャカシャ
しています。すると、ワン公(古い言い回し?)が、私に近づいてきて吠えます。
( 私に興味が ・・・ 珍しいヤツです! )

“ワン!ワン!ワン!”
何と犬らしい鳴き声でしょうか。最近、街場では小型犬や吠えないように
訓練された犬が多いためか聞かなくなりました。雑種ですが、愛嬌のある犬です。
本当は私、人間以外の生き物は得意ではないのですが、余りにもしつこく鳴く
ので、少し首元を撫でて相手をしてやりました。何と、直ぐにおとなしくなりました。
( やっぱ、この犬は変わりもんかも?)

先客の商談が済み、気さくな女将さんらしき女性から私に声が掛かります。
“何か(お入用ですか)?” 私は、事情を説明した上でおすすめを探ります。
その結果、ぬる燗ならどれでもそこそこはイケルということでしたので、
3種類(4合瓶各1本)買って帰ることにしました。

 ■ 太 陽
   ( 長期熟成特別純米原酒8年古酒 @1.300 )
 ■ たれくち
   ( 純米無濾過生原酒 @1,500 )
 ■ 赤 石
   ( 純米無濾過原酒 @2,000 )

庭先で試飲できるようにテーブルにお酒を用意してくれていましたが、私は
車で行きましたので、キャップを取って香りだけ試匂?します。
( 自家製の 「たまねぎの奈良漬」 もすすめられました ・・・ 私は不得意です )
香りだけなら、やはり 「赤石」 でしょうか。そして、抑え気味の 「たれくち」 。
「太陽」 はお世辞にも “良い香り” とは言えない個性の強いヤツです。

持って帰って試飲してわかったのですが、
この3種、最初に感じた印象より、それぞれ個性的で自己主張もあります。
そして、それぞれにファンがつく可能性のある酒だと私は感じました。
「赤石」 は少し媚びた感じはありますが、シュッとしてモテるナルシストタイプ。
「たれくち」 は素朴ですが、美男(美人)の要素が少し開き始めたお酒です。
「太陽」 は “ごんたくれ” ですが、裏面に優しさを持ち合せた味のあるお酒です。
( 「太陽」 は強い樽香がします。不得意な方が多いと思います。 )





私は、基本的に酒呑みではありません。( “酒好き” は否定しません )
ワインもそうなのですが、どちらかというと、そのお酒の持つ歴史や地域特性、
あるいは文化的な味わいをイメージしながら飲むことが好きなんです。

しかし、ここへきての “燗酒の旨さ” 発見で日本に居て良かった。と思ったり
します。理屈や無くて、先祖代々繋がっている DNA なのでしょうか ・・・ 。
( 人が築いた歴史や努力に、即席もんが簡単に勝てる訳がありません。 )
この時代だからこそ 「古来伝承の手仕事/太陽酒造」 のマニアなファンが
増えるかも ・・・ 。

酒の肴は、
  ● 太刀魚のお造り
  ● 太刀魚の干物(薄い味醂干し)味ポンかけ
  ● 手羽元と大根のあっさり煮
  ● ひじきの煮物
  ● 鰯の生姜煮
  ● その他諸々
でした。

 [ 燗の呼び方 ]
  30° 日向燗 (ひなたかん)
  35° 人肌燗 (ひとはだかん)
  40° ぬる燗 (ぬるかん)
  45° 上   燗 (じょうかん)
  50° 熱   燗 (あつかん)
  55° 飛びきり燗 (とびきりかん)

冬の夜、
数種の地酒を少し燗して呑み比べて楽しむのも乙なものですよ。



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