えつこのマンマダイアリー

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第5章 放射線治療 33.

2007年08月13日 | 乳がん闘病記
33.
 放射線治療の前にM先生にもY先生にも説明されなかった副作用とは、治療の後半から現れた全身症状だ。1つは体重が減ったこと…最も減ったときで4~5kg減った。私より3年治療に先んじているBさんも、放射線治療で痩せたと言っていた。2つめは赤血球・白血球・血小板ともに減少したこと。

 この因果関係について免疫学の本を読んでいてわかったことは、特にリンパ球と血小板が放射線に弱い、照射によって減少するという事実だ。そして、朝日新聞で連載された免疫についての記事も、明確な答えとなった。
  (国立保険医療科学院の生活環境部長の発言)「リンパ球が放射線に弱い。
  被曝事故で浴びた放射線の量は、リンパ球が減った量から推定する。
  6グレイの放射線を浴びると、リンパ球は3日でほぼなくなる。
  正常に戻るまで半年から2年かかる」
という内容だ。
 これを読んだとき、私は慄然とした。体のごく一部に当てたとしても、私は総量50グレイを当てたのだ。全身に当てた場合とどれくらい影響の差があるのか定かではないが、リンパ球が減らないわけがないと思うし、Y先生が言ったように3ヶ月などという短期間で回復するわけもないことが推し量られる。

 さらに、この事実から、M先生の先の発言への疑問も同時に解けた。「放射線をリンパ節に照射すると、一網打尽にダメージを受けてリンパの流れが悪くなるため、照射していない」
 にもかかわらず、私が白血球他の減少と照射との因果関係を質したとき、M先生はこう言ったのだ。「放射線治療単独では、あまり減少しないのが普通ですけどね」

 リンパ球が減れば免疫力が落ちるのだから、体重が減ってもそれは道理? その因果関係はこの際脇に置いておくとしても、私の疑問と不信感はさらに募った。どうしてこんな大事なことをM先生もY先生も事前に説明しなかったのだろうか? 免疫学的に言えば、がんは免疫力が極限まで落ちた状態で発症するらしいのに、その状態で放射線治療を受ければ、さらに追い討ちをかけるようなものではないのか? そして、この事実は、私が乳がんのバイブルがごとく頼りにしてきたF先生の『乳がん全書』でも、触れられてはいなかった。

 私のリンパ球がなんとか標準値内に戻ったのは、照射終了から1年8ヶ月後だ。血小板の値は、2年以上経った現在もいまだ戻っていない。それが私の体における放射線照射の副作用、後遺症の事実だった*


 * さらに、2007年8月に主治医から告げられてわかったことだが、血小板はホルモン治療でも減少する。放射線治療が終わって2年以上経っても血小板の値が戻らないのは、ホルモン治療を継続しているためだと判明した。

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