「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事と2回目の記事をご参照ください。前回記事は こちらで見られます。
なお、かなづかいや句読点は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。
平和百人一首
朝露に紅緒ぬらしてもぐ茄子の かごにあふるるわが家の幸
東京都目黒区上目黒 齊藤 禮子
これは去る夏の明方、田舎の親戚での実感を捉えたものであります。目覚めて朝涼の縁に立ちましたら、裏手の畑に人影を見つけ、さわやかな明方の大気にさそわれてぬぎすててあつた紅緒の下駄を突かけて庭に下り立ちました。
今しも旭日は東天に昇り初め、広い菜園は、しつとり露をふくんできらきら輝く中に従妹が手拭をきりりとかぶつて、紫に爪も染るかと思ふばかりのつやつやした茄子や胡瓜など、籠に溢れるばかりもぎとつていました。それは何とも形容の出来ぬ清らかな美しいまことに平和な絵のような風景でした。
私は思わず、このすばらしい状況に歓声をあげて従妹に笑われながら茄子畑に入り、しとどに露に濡れた時のよろこびを表現したものであります。
(禮子)
爽やかな気分です。
そんな小さな幸せを大事にしたいですね。
このシリーズにはコメントをいただいたことがなく、これが初コメントなんですよ~(#^.^#) 記念すべきコメントです(*^_^*)
暮らしの中の何気ない一コマ、でも、おっしゃるように、清らかで美しく、幸せな一コマ...そんなシーンを再び国民から奪うような社会にならないことを、祈るばかりです。