えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第1章 ある日突然… 8.

2007年03月25日 | 乳がん闘病記
8.
 超音波の乳房検査は、それまでに何度も健診で受けたことがあった。映像も受けながら何度か見たことがある。でも、こんな不穏な気持ちで見るのは初めてだった。

 F先生は、優しく丁寧に、じっくりと調べてくれた。やはり右を先に診て、異常のないことを確かめた。次に左...何度もしこりの辺りを往復しては、首をかしげる。「あれぇ…おかしいなぁ…何も映らないですねぇ…」
 再度触診でしこりの位置を確認してから、またエコーをかける。「この辺りだよねぇ…あぁ、これかなぁ…? これですね…」 それから、私には意味のわからない独り言を小さい声でぶつぶつ言いながら、F先生は何らかの作業を終えた。

 患部の画像を指差し、言った。「ここに黒い空間が見えますね? この部分が腫瘍です」 見ると、平たくつぶれた山をひっくり返したような形の暗闇があった。ひたすら不気味だった。
 大きさを尋ねると、「そうですね…」とF先生は画像を注意深くのぞきこんで、「周りとの境界をどこに取るかにもよるのですが…だいたい10mmというところでしょうか…」

 「10mmというと、1cmっていうことですね…」 私は当たり前のことを口にしながら、別のことを考えていた。F先生の言った「周りとの境界」という言葉にぎょっとしていたのだ。1週間前ウェブで調べたときのことを思い出して。「悪性のしこりは、周りとの境界がはっきりしない」……
 F先生は続けた。「おそらく…おそらく良性だと思いますが、念のために、細胞を採って調べておきましょうね」 ―あぁ、HPに出てた、なんたらかんたら細胞診っていうやつだな―と思った。

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