1ヶ月前のことで恐縮ですが、「多摩市立グリーンライブセンター」で月に一度開かれている「花と和菓子講座」の12月分の様子を紹介します。講師の指導のもと、季節の和菓子数種類を手作りし、それに因んだ自然や植物についての講話を聴くことができるというプログラムです。指導者は皆川和夫さん、TV東京のかつての番組 「テレビチャンピオン」の和菓子部門初代名人です。
なお、11月の講座については、こちらをご参照ください。
今回の季節の和菓子は花弁餅(はなびらもち)、上生菓子(練り切り)は水仙・福寿草・山茶花(さざんか)です。本来は別のものが予定されていましたが、手違いにより、1月のプログラムの水仙と福寿草を先生が準備されていたので、かなり季節を先取りして作ることになりました。そのため、ひと月遅れでアップしている次第です。
また、風邪やインフルエンザが流行する季節に入り、撮影しながらの作業がむずかしくなったので、文章だけで解説します。
花弁餅
花弁餅は、京都のお雑煮に見立てた、お正月にだけいただく伝統の和菓子の一つで、正しくは「菱葩餅(ひしはなびらもち)」と呼ばれています。甘く煮たゴボウ・ピンク色の求肥(ぎゅうひ)・白味噌餡を求肥で包んだ、宮中に伝わるお菓子で、明治時代に裏千家の初釜に使われることが許され、以来受け継がれてきているそうです。
<材料> (15個分)
求肥用 … 白玉粉:200g 上白糖:400g 水:適量
煮ゴボウ用 … ゴボウ(長さ10cmを四つ割りにしたもの):15本
上白糖:ゴボウと同量
味噌餡用 … 白味噌(西京味噌):40g 上白糖:40g 練り切り(市販でもOK):40g
<作り方>
I ゴボウを煮る
1.長さ10cmに切ったゴボウを柔らかくなるまでゆで、分量の砂糖を入れた水
(ゴボウがひたひたに浸るくらいの分量)に一晩漬け込む。
2.翌朝煮返す。
3.縦に四等分する。
★先に四等分してから煮ると反ってしまうので、最後に切り分けること。
II 味噌餡を作る
4.白味噌と練り切りを合わせ、よく練り込む。
III 求肥を作り、成形する
5. 白玉粉に水を少しずつ加え、耳たぶくらいの硬さになるまでよく練る。
6. 1を5cmほどの円盤状に分け(熱が通りやすいように)、沸騰したお湯でゆでる。
浮いてきたら湯を切り、ボウルで全部をまとめてヘラでよく練る。
7. 6を鍋に入れて弱火にかけ、砂糖を3回に分けて加えながら、よく混ぜ合わせる。
透明感が出てきて、手で触わってくっつかなくなれば、できあがり。
★ステンレスは焦げつきやすいので、アルミ鍋がよい。
8. お湯につけたヘラで7をすくい取り、片栗粉で打ち粉した台に移す。
8割を外側の求肥用に、2割を中に入れる求肥用に分ける。
★台はベニヤ板がよい。
9. 外側の求肥用分を、打ち粉した麺棒で2mm厚さに平たく伸ばす。
茶碗や茶筒等、丸い開口部のある物を利用して、直径7~8cmの丸片に型抜きする。
10.8で取り分けた、中に入れるための求肥分は、食紅で淡いピンク色に染めてから
薄く伸ばし、同じく湯呑みなどを利用して、直径3~4cmの丸片に型抜きする。
11.9の丸片の片側半分に、10のピンクの丸片を置き、中央に3のゴボウ(1本)と
4の味噌餡(小さじ半分ほど)を載せる。
12.半分に折って半月形にし、端を押えてできあがり。
★袋に入れる場合は、半月形の平らな方が上になるようにする(↓)。
水仙・福寿草・山茶花は直径3cmほどの小豆の餡玉を、それぞれの花色に着色した練り切りで包み、成形します(形はここで紹介するものがすべてではありません)。
先生のお手本を撮り忘れてしまったため、いかに本物とかけ離れているかをお伝えできなくてごめんなさいm(__)m
花弁餅は参加者の共同作業で作りましたが、外側の求肥が厚過ぎ、打ち粉が多過ぎました。打ち粉が多かったため、口が閉じず...半開きのみっともない状態になっています(^_^;
福寿草が最も本物とかけ離れています(^_^; 上端の黄色い部分が花で、本来は、別途黄色に染めた練り切りを載せるはずだったのですが、練り切りが足りなくなったため、上端を染めてごまかしました。もっとエリンギ?に近いような形になるはずだったのです(^_^;
因みに、花弁餅を載せた懐紙は、たまたま友人にもらったもの...(↓) Sさん、抜群のタイミングでした。ありがとう!
ここからはおまけ...この日のグリーンライブセンターの様子です。クリスマス前だったので、天然素材を利用して飾りつけられていました。季節遅れの画像でごめんなさいm(__)m