えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第1章 ある日突然… 7.

2007年03月24日 | 乳がん闘病記
7.
 患者を直接呼ぶ医師たちの、マイクを通した声を聞いていると、どうやら3人の医師がいるらしいことがわかる。第2診察室に呼ばれる人は、ほとんど男性のようだ。消火器外科か一般外科の患者なのだろう。「超音波室にお入りください」という声もあるから、きっとその医師が乳腺外科担当に違いないと思った。ときどき処置室に呼ばれる人もいるが、一体何をするためなのか…。
 
 ―第2診察室の先生は、なんだかぶっきらぼうみたいだなぁ。怖い先生だったら、どうしよう……― それぞれの声から顔や姿を想像していると、「K畑悦子さん、K畑さん、超音波室にお入りください」と、すでに何度か聞いていた声にコールされた。

 医師は30代半ばの誠実そうな男性だった。自己紹介をしてから、私を椅子に座らせた。柔らかい自然な笑みを浮かべて、私をまっすぐに見てくる。少し安心した。
 F先生はマンモグラフィの写真をしばらくながめた。ウェブで見ていた悪性のしこりの写真を思い出しながら、私も恐る恐る視線を投げてみる。F先生は快活な調子でさらりと言った。「これを見る限りでは、異常は見られませんね」

 その言葉にも口調にも、私は一瞬安堵した。―よかったぁ…おとうさんの言うとおりだったかも……― しかし、またもや内なる声が訴える。―え?でも、しこりは???―
 「でも、先生、しこりみたいな物に触れるんですけれど…」 私がそう言うと、「そうですか。それでは触診してみましょう」と、F先生は私をベッドに横たわらせた。「失礼します」と生真面目な口調で断ってから、まず右を触り、「こちらは異常ありませんね」と言う。次に左を触り、少し表情を変えた。「なるほど。確かにしこりに触れますね。これですね……。それではエコーで調べてみましょうね」

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