ケイシロウとトークアバウト

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秋空に胸がいたんだ

2021-10-16 19:41:00 | 日記




今から10年前。

福太夫(フクタユウ)と妻のツマブキが、
澄み渡る秋空を、
室内から、
じっと眺めていた。
けれど、
やたらツマブキが、
胸を押さえるので、
タユウは、
心配のあまり、
今朝、
ゴミ箱から拾ってきた医学雑誌に目を落とした。

その雑誌には、
心筋梗塞の特集が組まれ、
心細胞を壊死させる心筋梗塞の痛みは、
スズメバチに10匹同時に刺されるくらいに悶絶するとのことやった。

朝青龍並みの体付きをしているツマブキ。
けど、
心筋梗塞の疑いあっても、
病院🏥嫌いが、
ツマブキの足を止める。

タユウはツマブキのむくんだ足を見つめ、
「足のむくみは心筋梗塞や」と言った。
ツマブキは、
「ツツガムシに噛まれたんやと思っとります」と答えた。

次にツマブキが、
肩の凝りを気にするので、
タユウは、
「心筋梗塞からの放散痛や」と言った。
ツマブキは、
「心臓の働きに感謝して、今、称賛中です」と答えた。

今度は、
背中の痛みにツマブキは顔をしかめた。
タユウは、
「確実な心筋梗塞のサインや」と言うと、
ツマブキは、
「たくさんの過去を背負ったオンナの痛みです」と答えた。
タユウは、
「心筋梗塞に間違いない!」と言うと、
ツマブキは、
「先週、あなたから、部屋でションベンしたことで、失禁拘束されました」と答えた。

しばらく時が経ち夕方となった。

ツマブキは、
「日本の秋の空」というDVDを見ていた。
そこにツマブキが胸を押さえて現れ、
「タユウ。心臓が苦しい」と言って、
気絶した。

ものの5分もしない内に、
救急隊が来て、
ツマブキを連れて行った。
タユウは、
ツマブキとの問答後に、
病院に連絡入れて、
救急搬送の準備を進めていたんやった。

ツマブキは、
腹にメスを入れる時はタユウに介錯(😱❓)をお願いしていたが、
カテーテル治療だけで、
その時は、
大事に至らなかった。