ケイシロウとトークアバウト

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お父さんのいるところ

2021-10-20 19:04:00 | 日記




カワカミという男がいた。
子供が3人もいるのに、
密林探検にハマって、
年に一度は、
ニューギニアやアマゾン奥地へと旅した。
奥さんはキレて、
「もう帰って来なくて結構!」と吐き捨てた。

その通りになった。

それで、
外務省を通し、
現地警察に失踪届けまで出して、
50年が経った。

カワカミの子供たちは、
それぞれ、
家庭を持って、
平和に過ごしていた。

そこに、
父親の行方がわかったという知らせに、
子供たちは、
実家に集まった。

NPO法人の職員とともに、
南方系の年寄りの男性が付いてきた。
この男性が、
父親の行方を知ってるということやったので、
子供たちの長男が、
「父はどこですか?」と問うた。
男性は、
上半身裸になって胸の乳首を指した。
父と乳の区別がつかないことを見てとった長男は、
NPO法人の職員とともに、
ゆっくりと訳を聞いた。

男性は涙目になり、
メモを出して、
たどたどしい日本語で、
「あなた方のお父さんは慣習で私たちの腹の中で生きています」と言った。
長男はどういう意味かと必死に尋ねると、
男性は、
「はみ(食み)ました」と答えた。

一同は、
超絶なガク(愕)😱💯が入ってしまった!

とある密林も、
50年も前なら、
独自の慣習の中にあったことやろう。
それに、
文化果つる地を土足で踏んだ父親もよくない。
一種の家宅侵入にあたる。
けど、
ナニか釈然としない。
それで、
長男は、
この年寄りの南方系男性にとあるお願いをし、
男性は承諾した。

翌日。

南方系男性は上半身裸になって、
積まれた座布団の上で、
あぐらをかいていた。
その前に、
カワカミの作られたばかりの位牌が置かれ、
線香が焚かれて、
坊主の読経の中、
50年の時を経た、
葬儀が行われた🙏