
今から五年くらい前。
新成人オンナとしてウキウキ感に過ごすホタルは、
兄のショウタロウが時々連れてくる、
高校時代の仲良しイケメンに、
内心、
惚れまくっていた。
が、
横須賀彗星と名乗るこのオトコは、
挨拶からナニから、
ホタルを完全スルーしていた。
ホタルはオンナ心を砕かれ、
横須賀彗星を蓮の咲いているところに送りたくなるんやった。
横須賀彗星は時たま遊びに来ても、
すぐに、
電話やLINEに没頭して、
相手方に呼ばれて、
帰ってしまう。
ホタルは、
ショウタロウに、
横須賀彗星の職業を尋ねたが、
ショウタロウは、
「横須賀彗星は個人情報保護法に守られてるから」と言われ、
それ以上はナニも言わなかった。
ある夜、
ホタルはベッドに横たわり、
横須賀彗星を想いながら、
「情に憑かれて二枚目に斬り捨てられた」と呟き、
すすり泣きした。
そこにいきなりドアが開き、
トランクスひとつの横須賀彗星が入って来て早口に、
「俺、ホストクラブのプレイヤーなんだ。エース(一番ゼニを払う太客)と喧嘩しちまって、主任が冷てえのよ。だからさあ、遊びに来なよ。俺のところに」と言って、
名刺を投げて、
「俺のLINE登録しなよ」と言い捨てて、
出て行った。
ホタルはキレた😠
オンナがすすり泣き寝してるのに、
ノックもせずに入ってきた横須賀彗星😠😠
心に、
「許せないわ😡あいつの店に、明日、遊びに行ってやる」と言い、
翌日の夜に決行!
それ以来の常連客となる。
現在、
ホタルは、
時短営業に左右されるホストクラブにあっても、
横須賀彗星の為に、
絶えずシャンコしてあげて、
いつのまにか、
太客の仲間入りとなっていた。
が、
その為に、
1日3食のもやし料理で飢えをしのぐ身と成り果てた。
(ホストクラブに通い出した時点で実家から追い出しくらったのが祟っているという)
ホタルはもやしを食いながら想う。
「もし、あの夜、横須賀彗星が部屋に来なかったら、今頃は、もやしじゃなくて美味いもんに囲まれていたことやろう。本物の恋愛じゃなく、エースを逃した代役としての関係。ナンと惨めなことか」😭😭😭
ホタルは涙を浮かべ🥲
「ホタルの馬鹿🥺」と呟いた。