
カグラという売れっ子モデルがいた。
商業用フォトや動画の仕事が主で、
なかなかの高収入を得ていた。
そんなカグラの元に、
天才画家フデ丸の画題のモデルの依頼が事務所に来た。
モデル料がはんぱやなく、
カグラの通常2年分くらいの額やった。
当然、
カグラはフデ丸のモデルを引き受けた。
初日。
フデ丸の助手から、
広いアトリエに通されたカグラは、
部屋のあちこちに、
キャンバスがあるのに気が付いた。
しばらくして、
白髪頭で神経質そうなフデ丸が入って来たが、
「お日様が雲に隠れた。やから、きょうは中止や」と言って、
ふてくされて出て行った。
カグラは、
フデ丸が、
自分たちとは別次元の人間であることを知った。
翌日に再びアトリエに来たカグラやったけど、
また、
散々待たされた挙げ句、
フデ丸が来て、
「ミツバチが三色すみれの蜜を吸った」と悲しく言って、
出て行った。
2日目も、
こうして終了した。
翌日から、
フデ丸は、
東風が吹くまで絵を描かないと事務所に言って来たので、
カグラは暇な日々を過ごした。
そんな時、
急に、
フデ丸からの呼び出しがあり、
アトリエへと向かった。
モデルとしてのポーズを要求されたので、
その通りにした。
フデ丸が、
キャンバスの前で動かずに、
じっとしていたので、
きつくなったカグラが、
ポーズを止めると、
いきなりフデ丸が凄まじく泣き叫び、
柔道の受け身を取りまくった。
カグラはあまりの恐ろしさに、
脱腸するところやった😱‼️
後で助手に、
「勝手にポーズを解かないでください😠」といんねん付けられた。
その翌日、
必死で歯を食いしばってポーズを取っていたカグラをよそに、
ウーバーイーツでラーメン🍜を注文してフデ丸は、
キャンバスの前で、
美味そうに、
ラーメン食った。
カグラの腹が鳴った。
すると、
フデ丸は凄まじく泣き叫び出して、
ラーメンをどんぶりごと壁に叩きつけて割り、
柔道の受け身を取りまくった!
助手が来てカグラに、
「音を勝手に出さないでください。契約を破棄しますよ😡」と怒ってきた。
こういう日が続き、
身も心もくたくたに成り果てたカグラの前で、
キャンバスに腕を動かしまくってたフデ丸は、
助手を呼びつけた。
そして助手に、
「私は画家か🤔と自問自答しつつ私が馬鹿であることを知った」と言って、
筆を助手に渡した。
助手は感極まって、
「完成されたんですね!!」と叫ぶと、
フデ丸が気絶した。
すぐにフデ丸は、
関係者から、
「ご完成おめでとうございます」という、
作品の完成への歓声の中、
担架で救急搬送された。
その隙を見て、
カグラは、
自分が描かれたであろう絵をはじめて覗いて、
絶句😩した。
キャンバスに描かれていたのは、
カグラやなく、
ポーズをとっていたマントヒヒやった。
後で、
事務所から、
フデ丸が抽象画家だと説明されたが、
カグラは心に、
フデ丸の説明よりも絶命を願った。