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随分前のことですが朝日新聞日曜版に『サザエさんうちあけ話』という楽しいイラストのエッセイが連載され、その後一冊の本になりました。
これは『サザエさん』の作者長谷川町子さんの自伝でした。
パーティーなど人前に出るのが苦手だった町子さんが語る自伝はとても興味深く、また お母様とお姉様、妹さんとの暮らしが書かれていました。
妹さんのお嬢さんたちも加え、女性ばかりの賑やかなで楽しそうな暮らしぶりが書かれていたのですが・・・
妹の立場から語られると そういった表の面だけではなく裏の暗い面があったことを初めて知りました。
町子さんの作品を助けるために努力された姉のまり子さん、妹の洋子さんでしたが 長年住み慣れた家を離れようとした姉たちと一緒に引っ越しをすることをためらった洋子さんは
初めて姉のいうことを聞きませんでした。
洋子さんは 自分で考え自分で納得した本を出版する出版社を立ち上げ 自宅に残ることを選びました。
それがふたりの姉には裏切りのように思えたのでしょうか、姉妹関係は断絶してしまいました。
町子さんが亡くなった時にも洋子さんはまり子さんから知らせてもらえず 知人がそっと教えてくれたそうです。
もちろんまり子さんの臨終に立ち会うこともなかったそうです。
数十年間を一緒に助け合い生きてきたはずの三姉妹の確執という現実に かなりショックを受け 寂しさも覚えました。
でも、『サザエさん』は明るく仲の良い家族の物語で『サザエさん』は古き良き日本の家族でした。
作者がどんな人生を歩もうと『サザエさん』はやっぱりあたたかでやさしい家族の物語・・・それでいいんだ、と思うことにしました。