永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
この本の前に・・・別の作家さんの本にチャレンジしていたのですが・・・
全然頭に内容が残らない(;´・ω・)ので・・・挫折しました
それで・・・浅田さんのこれを手にしたとたん~~即効浅田ワールドへ「いざぁぁぁ」って感じでした(○´ェ`○)ポョ
親子って一番近しいようで年代に隔たりがあるため・・・自分の父母の育ってきた過程を見る機会なんぞありませんね~~
父は家長として威厳をもって歩んでいかなければならない
子供には背中を見てもらう・・・
でも反発する親子って多いです!!
そんなとき、嫌いだと思っていた父の思わぬひたむきな人生に遭遇する
夢のような現実離れしたストーリーでありながら・・・実際の東京メトロ構内を詳しく相対化して描くことにより・・・
違和感なく心に・・・頭に沁みわたっていくんです・・・
戦争、震災、高度成長・・・
日本が大きく変わっていく様を70年にわたり優しく見守り、母の胎内のように包んでくれている地下鉄・・・
浅田さんのメトロへの想いが深いです
一代で大財閥を築きあげた容赦なき男である父小沼佐吉が・・・
若かりしころ戦争に出征するときにみせた初々しさ・・・ひたむきさ・・・けなげさ・・・
息子の小沼真次はタイムスリップして目撃してしまう・・・
そこが一番・・・感動しました・・・
今はどす黒い父ですが・・・
そんな父にも、穢れなき真っ白な青春があったことを知る真次・・・
圧倒的な文章力がぐいぐい引っ張っていってくれます(○ ̄∀ ̄)ノぁぃ
なんだか・・・いつまでも膝を抱えて余韻に浸っていたいような・・・そんな小説でした・・・