人生の雑記帳bytamatiyamaru

終活もそろそろ考えながら…日々の瞑想(迷走?)を大切に
身も心もととのえることが一番!

浅田次郎「地下鉄(メトロ)に乗って」

2009年06月24日 22時08分50秒 | 読書感想

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。


この本の前に・・・別の作家さんの本にチャレンジしていたのですが・・・

全然頭に内容が残らない(;´・ω・)ので・・・挫折しました

それで・・・浅田さんのこれを手にしたとたん~~即効浅田ワールドへ「いざぁぁぁ」って感じでした(○´ェ`○)ポョ

親子って一番近しいようで年代に隔たりがあるため・・・自分の父母の育ってきた過程を見る機会なんぞありませんね~~

父は家長として威厳をもって歩んでいかなければならない

子供には背中を見てもらう・・・

でも反発する親子って多いです!!

そんなとき、嫌いだと思っていた父の思わぬひたむきな人生に遭遇する

夢のような現実離れしたストーリーでありながら・・・実際の東京メトロ構内を詳しく相対化して描くことにより・・・

違和感なく心に・・・頭に沁みわたっていくんです・・・

戦争、震災、高度成長・・・

日本が大きく変わっていく様を70年にわたり優しく見守り、母の胎内のように包んでくれている地下鉄・・・

浅田さんのメトロへの想いが深いです

一代で大財閥を築きあげた容赦なき男である父小沼佐吉が・・・

若かりしころ戦争に出征するときにみせた初々しさ・・・ひたむきさ・・・けなげさ・・・

息子の小沼真次はタイムスリップして目撃してしまう・・・

そこが一番・・・感動しました・・・

今はどす黒い父ですが・・・

そんな父にも、穢れなき真っ白な青春があったことを知る真次・・・

圧倒的な文章力がぐいぐい引っ張っていってくれます(○ ̄∀ ̄)ノぁぃ

なんだか・・・いつまでも膝を抱えて余韻に浸っていたいような・・・そんな小説でした・・・

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コメント (8)
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