休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
読後感としましては・・・正統な謎解き小説・・・ミステリーに真っ向から取り組んでいるなぁって強く感じました。
ミステリー小説とはこれぞ~~っていう感じで一つずつ謎が明かされていくんです・・・
本の感想を話し合う友人から「いいよ」って勧められて、読みはじめたんです。
かなり昔(1992年)の小説です。
寂しい話です。
天涯孤独・・・誰からも必要とされず、人生に翻弄され・・・必死でしがみついた棒切れにも釘がささっていた・・・
人生の辛酸を舐めつくす薄幸な美人の犯人・・・
この本の表紙に描かれている・・・大都会の道路と線路の間一本道の曲がり角に・・・
小さく一人佇む女性が見えますが、まさにこの表紙が本のすべてを現わしているようですね・・・
犯人である女性はわかっていても決して姿を現わさない・・・謎の人物・・・
読みながら「逃げて・・・お願いしあわせになって・・・」と思わせる何かがありましたけど・・・
宮部作品の中では私は、そんなにお勧め作品ではないな~~と感じました
新橋喬子に共感できる部分が少なかったから?人間臭さが足りなかったかな?
非常によく練られた作品であることは間違いありません!!