チューちゃんはもう、歩けなくなってしまったようで、階段下のスペースに設置した箱の中に入ったまま。時々苦しそうに吐く。母や私やぽんぽんが代わる代わる覗き込んでは頭を撫でると、
「くぅ……」
と鳴く。
あまり長い時間家を空けたくないけど、家にいると母に文句を言いたくなる確率が確実に上がるので、夕方、気分転換にウォーキングを兼ねて近所にお花見に行った。
厚い雨雲がシュークリームの皮みたいに浮かんでて、ポツポツと雨粒が落ちるけど、風で流されて太陽が顔を出すと、眩しいくらいの夕日が差す。
やっぱり空が見える家に住みたいなあ……。
写真の公園はこの辺では有名なお花見スポットで、父が元気だった頃に一緒にお花見に行ったなあ。
選挙期間中で、花見客に向けて選挙カーが演説をしていて、花見酒でいいご機嫌になった父が、
「うるせーぞ、花見してんだから、あっち行け!」
と、底抜けに明るい声で文句を言ったんだった。
ほかの花見客が、わはは、と笑って、選挙カーも、
「あ、なんか、野暮でしたね、失礼しました」
みたいな感じで、去って行ったっけね。
帰り道、青とオレンジが綺麗に混ざった、キラキラの空を見上げて、
「ああ、今だったら、このまま消えてもいいな……」
となんとなく思った。
夕日を浴びて神々しいメタセコイア
「くぅ……」
と鳴く。
あまり長い時間家を空けたくないけど、家にいると母に文句を言いたくなる確率が確実に上がるので、夕方、気分転換にウォーキングを兼ねて近所にお花見に行った。
厚い雨雲がシュークリームの皮みたいに浮かんでて、ポツポツと雨粒が落ちるけど、風で流されて太陽が顔を出すと、眩しいくらいの夕日が差す。
やっぱり空が見える家に住みたいなあ……。
写真の公園はこの辺では有名なお花見スポットで、父が元気だった頃に一緒にお花見に行ったなあ。
選挙期間中で、花見客に向けて選挙カーが演説をしていて、花見酒でいいご機嫌になった父が、
「うるせーぞ、花見してんだから、あっち行け!」
と、底抜けに明るい声で文句を言ったんだった。
ほかの花見客が、わはは、と笑って、選挙カーも、
「あ、なんか、野暮でしたね、失礼しました」
みたいな感じで、去って行ったっけね。
帰り道、青とオレンジが綺麗に混ざった、キラキラの空を見上げて、
「ああ、今だったら、このまま消えてもいいな……」
となんとなく思った。
夕日を浴びて神々しいメタセコイア