精神世界を怪しいと思っていた頃、確か小説のネタにしようと思って、真言密教の本を読んでいて、空海が虚空蔵菩薩(知恵、知識、記憶の菩薩)の真言を、一日一万回×100日=百万回唱えたところ、明けの明星が口の中に飛び込んできた、という神秘体験を読んで、なぜか、
「これはあっただろう」
と思った。なんでかはよくわからない。
それと入唐して、恵果から金剛胎蔵の両部を伝授された時の様子を、恵果の弟子が「悉く受けることまさに寫瓶のごとし」と記録しているのを読んで、
「ああ、こういう伝わり方はあるだろう」
と思った。これもなんでかはよくわからない。
ただ当時、精神世界について何を読んでも何を聞いても、
「えー、マジかー?そういうことって本当にあるのかー?」
と疑っていた自分が、あまりにもストンと、
「あ、これはあり」
と認めたので、逆に、なんでこれだけは疑惑フィルターを通過して腹に落ちたのか、そのことが微妙に気になってはいた。
大体、住んでる場所自体が、西新井大師の勢力圏内で、周りのお寺は真言宗ばっかりだし、ぽんぽんの通った幼稚園も真言宗だし、お大師様にはご縁が深いのだ。
その後、司馬遼太郎の『空海の風景』という本を読んだ。途中まで(下巻が難しくって……)。そしてなんとなく空海が嫌いになった。司馬さんはどちらかというと心情的には最澄よりで、空海の日本人離れした傲岸さにちょっと引き気味な感じで、その筆に釣られたのか、私は最澄がとても好きになった。密教、顕教という区分から言っても私は明らかに顕教に惹かれている気がしたし、何より比叡山が日本仏教の母山として、たくさんの名僧や新しい思想、宗教を輩出していくのに対し、高野山が空海を終着地として、そこを切り開いたなにかが起こらないということを、なんだかちょっと不健全に感じていた。
でも最近、「神の子の壮大さ」というテーマが目の前にあって、体力も精神力ももっと充溢させられるんじゃないか、と思い始めたときに、
「んー。虚空蔵菩薩真言を100万回唱える根性はないけど、お大師さんにあやかれないものか」
と思いつき、ついでになぜあの時、お大師さんについての奇跡だけはあっさりと受け入れられたのか、その謎も解きたいと思い、秋ごろ、
「ちょっと、高野山に行ってこようかと……」
と、母とぽんぽんに相談したところ、
母「えー」
ぽんぽん「おう、行ってこい」
というそれぞれの反応をいただいた。
とはいえ何しろ腰が重いので、寒くなる前に、いや年内には、とずるずる引きずって、
「なんか冬至に高野山ってかっこいい気がするから、冬至に行ってくる!」
と、ようやくJTBを予約して、行ってきました高野山。
「これはあっただろう」
と思った。なんでかはよくわからない。
それと入唐して、恵果から金剛胎蔵の両部を伝授された時の様子を、恵果の弟子が「悉く受けることまさに寫瓶のごとし」と記録しているのを読んで、
「ああ、こういう伝わり方はあるだろう」
と思った。これもなんでかはよくわからない。
ただ当時、精神世界について何を読んでも何を聞いても、
「えー、マジかー?そういうことって本当にあるのかー?」
と疑っていた自分が、あまりにもストンと、
「あ、これはあり」
と認めたので、逆に、なんでこれだけは疑惑フィルターを通過して腹に落ちたのか、そのことが微妙に気になってはいた。
大体、住んでる場所自体が、西新井大師の勢力圏内で、周りのお寺は真言宗ばっかりだし、ぽんぽんの通った幼稚園も真言宗だし、お大師様にはご縁が深いのだ。
その後、司馬遼太郎の『空海の風景』という本を読んだ。途中まで(下巻が難しくって……)。そしてなんとなく空海が嫌いになった。司馬さんはどちらかというと心情的には最澄よりで、空海の日本人離れした傲岸さにちょっと引き気味な感じで、その筆に釣られたのか、私は最澄がとても好きになった。密教、顕教という区分から言っても私は明らかに顕教に惹かれている気がしたし、何より比叡山が日本仏教の母山として、たくさんの名僧や新しい思想、宗教を輩出していくのに対し、高野山が空海を終着地として、そこを切り開いたなにかが起こらないということを、なんだかちょっと不健全に感じていた。
でも最近、「神の子の壮大さ」というテーマが目の前にあって、体力も精神力ももっと充溢させられるんじゃないか、と思い始めたときに、
「んー。虚空蔵菩薩真言を100万回唱える根性はないけど、お大師さんにあやかれないものか」
と思いつき、ついでになぜあの時、お大師さんについての奇跡だけはあっさりと受け入れられたのか、その謎も解きたいと思い、秋ごろ、
「ちょっと、高野山に行ってこようかと……」
と、母とぽんぽんに相談したところ、
母「えー」
ぽんぽん「おう、行ってこい」
というそれぞれの反応をいただいた。
とはいえ何しろ腰が重いので、寒くなる前に、いや年内には、とずるずる引きずって、
「なんか冬至に高野山ってかっこいい気がするから、冬至に行ってくる!」
と、ようやくJTBを予約して、行ってきました高野山。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます