光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

東京国立近代美術館 西洋画(2010年12月4日)その2

2011年04月24日 | アート 西洋画

アンリ・ルソーのこの絵は、昨年8月3日に紹介しましたが、ピンボケ写真でした。 再度、撮影したものです。



 アンリ・ルソー(1844-1910)
第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神
1905-06年   油彩・キャンバス



画家は初めて聞く名前ですが、抽象画で色合いなど面白く、いろんなものを連想させてくれます。 



藤田嗣治の「猫」  独特の白が浮かび上がる配色。 猫の争っている激しい構図。  1940年という激動の時代が影響していると思います。 私は藤田の絵は好きではありません。 戦争画を画いたからとか、そんな理由ではなくて、気味の悪さを感じるからです。
日本画のデロリをルーツに持っているように思います。 この絵にそれを感じます。



藤田の1920年代は、パリの画壇で脚光を浴び、サロンの寵児となっていった時期。 この前年に「寝室の裸婦キキ」という有名作で評判をとっていた。 その系統の作品です。 色合いには独特のものを感じますが、それ以上のものは感じない。 これは個人の思いなので、作品の一般的評価とは別です。



 そして佐伯 祐三。  彼のことをWebで調べていたら、凄い事実が分かりました。 落合莞爾氏の「天才佐伯祐三の真相」です。  これを読んでいたら徹夜になってしまいました。 
結論としては、佐伯祐三の絵は、大部分、妻の米子が加筆修正していること、 絵とは直接関係しないが、祐三は諜報活動員(西本願寺関係か特高警察関係)だったこと、藤田嗣治も冷徹な活動員(陸軍関係)。 そして、祐三の夭折の原因に事件性があることも・・・最愛の娘(だが実の子ではない)も祐三が亡くなってから、わずかで亡くなっていること。 
祐三は不遇だった夭折の天才画家のイメージは、後世つくりあげられたものということになる。
絵を見ましょう。 全体として絵に芸術性を感じます。 色、構図、タッチに、いいなと思えます。  ただ、米子の加筆修正の事実を知った眼でみると、
■塔の上部にお時計の文字や輪郭が不自然(メニエル氏病で悩んでいた佐伯にとっては細かい文字などは苦手だった。)
■全体にある黒い線描の濃度がところどころで、不自然(例えば、中央下部の屋根と壁面を分ける太い黒線の左端が濃度が高くくっきりとしすぎる)。
中国北画を学んでいた妻、米子の加筆と思われます(あくまで独断です)。 
だが、加筆修正があっても、絵としては祐三の個性がでたいい絵です。 



祐三に関しては、以前のブログでも紹介しています。  「ガス灯と広告」という作品ですが、広告の文字や色塗りに不自然さがあります。  最も、当時のブログでは「描線がダイナミックで魅かれるものがあります」と、印象を述べた私です。米子の加筆のことは当時は知りませんでしたので、加筆が絵のコントラストを高めた効果を自然に受け入れていたのでしょう。



香月泰男の作品。
シーンは分かりやすい。 でも下からの手と握られた花を見て、最初は死者の手?と勘違いしてしまいました。

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1 コメント

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絵画同好会(名前検討中 (村石太マン&鏡の前の女 名古屋発)
2011-05-19 22:50:23
絵というのは 不思議な 魅力がありますね
ハートまで 取られそうになります。
仕事で疲れきったとき 美術館で 絵をみると
いい作品にであったとき 感動が 半減するかなぁと思っています。疲れや 飢えを 忘れさせてくれる作品も ありますね。映画館 コンサートなどもそうなんですが。
絵は時々 子供のようなデッサンというか ありますけれど バランスが やはり その道の達人ですね。
抽象画を 建築やインテリアや内装に使えないかなぁ と 時々 思います。
あの建築にシャガールの天井壁画も おもしろいですね。
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