先日、ハンセン病資料館に出かけた。
西武新宿線の久米川と西武池袋線の清瀬の間の東村山市の一角、全生園の中にある。
そこで「舌読」を初めて知った。
ハンセン病の症状の一つとして手足の感覚が鈍くなることがある。
釘を踏み抜いても自覚できない程のこともある。
視覚障害が出ることもある。
視覚障害の宣告を受けることを、ハンセン病患者は2度死ぬと言ったそうだ。
ハンセン病を家族や社会から完全に隔離するものとした時代、
病気を宣告されて1度、そして視覚障害を宣告されて2度ということだったそうだ。
皮膚の感覚が衰え、指で点字を読むことができない人が舌で点字を読むのが舌読だ。
舌読をする自分の姿を想像すると屈辱的でできなかった一人の患者さんが、
自分で本が読みたくて、とうとう舌読の練習を始める。
そして数ヶ月後、彼は自らが読みたかった聖書のルカによる福音書の一節を読む事ができる。
彼が至福の喜びを感じたことがそこに紹介されていた。
行った時は、全生園がなんて広い敷地なのだろうと思った。
が、帰る時は、この地が一生を過ごす地であるなら、なんと狭い敷地かと思った。
誰にも、是非一度は行って欲しい、知って欲しい所、国立ハンセン病資料館です。
ここでも夜停電になったら、私は彼らに掴まらせてもらってトイレに行ったりするのだろう。
障害とは何だろう。
ささき