東京都指定障害福祉サービス事業者LLCてくてくゆかりのブログ

東京都指定障害福祉事業者LLCてくてくのスタッフや周辺の人々が週変わりで語るブログです。

国立ハンセン病資料館

2011年08月03日 | てくてくのまいにち
先日、ハンセン病資料館に出かけた。
西武新宿線の久米川と西武池袋線の清瀬の間の東村山市の一角、全生園の中にある。

そこで「舌読」を初めて知った。
ハンセン病の症状の一つとして手足の感覚が鈍くなることがある。
釘を踏み抜いても自覚できない程のこともある。
視覚障害が出ることもある。
視覚障害の宣告を受けることを、ハンセン病患者は2度死ぬと言ったそうだ。
ハンセン病を家族や社会から完全に隔離するものとした時代、
病気を宣告されて1度、そして視覚障害を宣告されて2度ということだったそうだ。
皮膚の感覚が衰え、指で点字を読むことができない人が舌で点字を読むのが舌読だ。
舌読をする自分の姿を想像すると屈辱的でできなかった一人の患者さんが、
自分で本が読みたくて、とうとう舌読の練習を始める。
そして数ヶ月後、彼は自らが読みたかった聖書のルカによる福音書の一節を読む事ができる。
彼が至福の喜びを感じたことがそこに紹介されていた。

行った時は、全生園がなんて広い敷地なのだろうと思った。
が、帰る時は、この地が一生を過ごす地であるなら、なんと狭い敷地かと思った。
誰にも、是非一度は行って欲しい、知って欲しい所、国立ハンセン病資料館です。

ここでも夜停電になったら、私は彼らに掴まらせてもらってトイレに行ったりするのだろう。

障害とは何だろう。

ささき
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視覚障害と聴覚障害と

2011年08月03日 | てくてくのまいにち
友人との話が節電の話題から電気をつける話になった。
友人:家族が夜帰って来て
  「暗い中でどうしたの?電気くらいつければ」
   と言うけれど私にはどうでもいい。
   一人だと電気をつけない視覚障害者はたくさんいる。

地下鉄の中や地下街で停電になったら、夜間に停電になったら、
彼女と私の立場は簡単に逆転する。
彼女は私のガイドになって「下り階段始まり」とか「階段終わり」とかを私に言う。
私は白状を持っていつもと変わらずに歩く彼女の腕につかまり、
恐る恐る足も出ないだろう。
私は視覚障害を持つ。

世の中から音が消える事はないだろうから、
聴覚障害を持つ方と立場が逆転する事は考えにくい。
全ての人の言語が手話になり、
全ての情報伝達が視覚的なものになれば聴覚障害はなくなる。

友人が聴覚障害を持つ方と出会った。その人はメールを使わない。
二人が何を使って会話をするかは今模索中。
友人が覚えていた片言の手話を、その方は理解できた。
手のひらや背中に指で文字を書く筆談が今の所の最善の方法だそうだ。
友人が、腕や手の形や表情の付け方の説明を受け、
触って教えられたりしながら手話を覚えるというのもあるかもしれないが、
中途視覚障害の友人や、聴覚障害の方がこれから点字に精通するのは容易な事ではない。

障害とは何だろう。

ささき

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