どうしてチューリップは、陽が昇ると花を開き夕方閉じるの?
晩冬から初春に咲く花は、陽が昇ると開花し、陽が沈むと閉じるものが多い。
何故、開け閉めをしているのだろうか?どういう仕組みになっているのだろうか?
という二つの疑問があるがそれにはこんな解がありそうだ。
1、陽が沈むと寒くなるから風邪を引かないように閉まるのかな?とか
2、夜咲いていても子孫を増やす仲立ちをしてくれる顧客の昆虫さんが来ないので店を開いていてもエネルギー消費がもったいないので?とか
3、雨、曇りの時は客足が悪いので大事な餌でもある花粉がもったいないので節約している?
などなどいくつかの答えが考えられる。
(写真)名無しのチューリップ
花が開閉する植物とその仕組み
陽が昇ると開花し、陽が沈むと閉じる花をあげると
代表的なものはフクジュソウ、クロッカス、アネモネ、チューリップなどで、一株に一つか少数の花が咲く植物が多いことがわかる。
たくさん花が咲く植物は、どれかが受粉して子孫を残せばいいので、それぞれの花が最大の効果を狙わないでも良さそうだ。しかし、1個とか数少ない花しか咲かせない植物の場合は、確率で受粉させるわけにはいかない。確実に受粉する必要がある。
そのための生き残る戦略が、花の開閉ではないかと思う。
というのは、これはチューリップになりきって考えた推理だからだ。
たとえば、チューリップが開花後に花が開いたままでいるとした場合どんな不都合があるだろうか?
・花粉・蜜などが24時間露出しているので、花粉運び屋に適しない昆虫などに無駄な消費がされる。
・雨の日は、花粉が濡れてしまい流れるなど損失・減耗がある。
・早めに花粉・蜜などの資源を使い切るので受粉できないリスクが高まる。
一個の花にある少ない資源を確実に使うということにはならなさそうだ。
そこでチューリップなどは長い時間をかけて学習し、「顧客の昆虫さんたちが少ない時間は閉店しよう!」となったのだろう。当然、陽が沈んだり、雨の日などは昆虫さんたちの活動が不活発になり、店を開けていても資源ばかり使い効率が悪い。ということを会得したのだろう。或いは、陽が沈むと花を閉じるという性質を偶然に持った個体のほうが優位になり生き残ってきたのだろう。
フクジュソウの場合は、雪がとけかかった南東の斜面の樹林の下で、競争相手の植物が成長し葉を茂らせる前に、しかも、まだ寒いので昆虫も活発に活動できないという限界的・ニッチ的な時期を狙い、数少ない昆虫を呼び寄せるために彼らを温め元気を与える場所として花の機能を創っている。
陽が昇り目覚めた昆虫たちは、好物の蜜がないがそこそこの花粉にありつけ、また、“フクジュソウのサウナ”で身体を温め、元気になって食糧を探しに遠くまで飛んでいく。しかも私の花粉をつけて!
フクジュソウは、陽が昇ると花を開き、パラボラアンテナのように花の中心に光を集め温度を高める。さらに光を追いかけて花が動く。こんな集光マシーンを創った。
チューリップは、17℃以上になると花が開き、その温度より下がると花を閉じる。という形質を獲得した。
この仕組みは「バイメタル」と同じで、「バイメタル」の場合は、熱膨張率が低い鉄(外側)と高い銅(内側)を張り合わせ、気温が高くなると内側の膨張が高いので外に傾き、気温が低くなると逆に内側に傾く。
チューリップは、内側の細胞が伸張する温度は17~25℃で開花し、外側細胞は8~15℃といわれている。(出典:「不思議な花時計」十亀好雄 青木書店)
だから陽が昇り温度が高くなると花が開き、陽が翳り温度が低くなると閉じるという動きが起きる。
この温度によって花が開閉する運動を「傾熱性」といっているが、動かないから動物ではないといわれている植物も、動くということが出来るし、動く仕組みを持っていている。これらは自分の子孫を残すところで有利に働くように出来ているようだ。
私もカミサンの小言にシャッターを開け閉めしているが、私が不利な場合が多いようだ。なかなか自分有利にはなれそうもない。
晩冬から初春に咲く花は、陽が昇ると開花し、陽が沈むと閉じるものが多い。
何故、開け閉めをしているのだろうか?どういう仕組みになっているのだろうか?
という二つの疑問があるがそれにはこんな解がありそうだ。
1、陽が沈むと寒くなるから風邪を引かないように閉まるのかな?とか
2、夜咲いていても子孫を増やす仲立ちをしてくれる顧客の昆虫さんが来ないので店を開いていてもエネルギー消費がもったいないので?とか
3、雨、曇りの時は客足が悪いので大事な餌でもある花粉がもったいないので節約している?
などなどいくつかの答えが考えられる。
(写真)名無しのチューリップ
花が開閉する植物とその仕組み
陽が昇ると開花し、陽が沈むと閉じる花をあげると
代表的なものはフクジュソウ、クロッカス、アネモネ、チューリップなどで、一株に一つか少数の花が咲く植物が多いことがわかる。
たくさん花が咲く植物は、どれかが受粉して子孫を残せばいいので、それぞれの花が最大の効果を狙わないでも良さそうだ。しかし、1個とか数少ない花しか咲かせない植物の場合は、確率で受粉させるわけにはいかない。確実に受粉する必要がある。
そのための生き残る戦略が、花の開閉ではないかと思う。
というのは、これはチューリップになりきって考えた推理だからだ。
たとえば、チューリップが開花後に花が開いたままでいるとした場合どんな不都合があるだろうか?
・花粉・蜜などが24時間露出しているので、花粉運び屋に適しない昆虫などに無駄な消費がされる。
・雨の日は、花粉が濡れてしまい流れるなど損失・減耗がある。
・早めに花粉・蜜などの資源を使い切るので受粉できないリスクが高まる。
一個の花にある少ない資源を確実に使うということにはならなさそうだ。
そこでチューリップなどは長い時間をかけて学習し、「顧客の昆虫さんたちが少ない時間は閉店しよう!」となったのだろう。当然、陽が沈んだり、雨の日などは昆虫さんたちの活動が不活発になり、店を開けていても資源ばかり使い効率が悪い。ということを会得したのだろう。或いは、陽が沈むと花を閉じるという性質を偶然に持った個体のほうが優位になり生き残ってきたのだろう。
フクジュソウの場合は、雪がとけかかった南東の斜面の樹林の下で、競争相手の植物が成長し葉を茂らせる前に、しかも、まだ寒いので昆虫も活発に活動できないという限界的・ニッチ的な時期を狙い、数少ない昆虫を呼び寄せるために彼らを温め元気を与える場所として花の機能を創っている。
陽が昇り目覚めた昆虫たちは、好物の蜜がないがそこそこの花粉にありつけ、また、“フクジュソウのサウナ”で身体を温め、元気になって食糧を探しに遠くまで飛んでいく。しかも私の花粉をつけて!
フクジュソウは、陽が昇ると花を開き、パラボラアンテナのように花の中心に光を集め温度を高める。さらに光を追いかけて花が動く。こんな集光マシーンを創った。
チューリップは、17℃以上になると花が開き、その温度より下がると花を閉じる。という形質を獲得した。
この仕組みは「バイメタル」と同じで、「バイメタル」の場合は、熱膨張率が低い鉄(外側)と高い銅(内側)を張り合わせ、気温が高くなると内側の膨張が高いので外に傾き、気温が低くなると逆に内側に傾く。
チューリップは、内側の細胞が伸張する温度は17~25℃で開花し、外側細胞は8~15℃といわれている。(出典:「不思議な花時計」十亀好雄 青木書店)
だから陽が昇り温度が高くなると花が開き、陽が翳り温度が低くなると閉じるという動きが起きる。
この温度によって花が開閉する運動を「傾熱性」といっているが、動かないから動物ではないといわれている植物も、動くということが出来るし、動く仕組みを持っていている。これらは自分の子孫を残すところで有利に働くように出来ているようだ。
私もカミサンの小言にシャッターを開け閉めしているが、私が不利な場合が多いようだ。なかなか自分有利にはなれそうもない。
「動かないから動物ではない」ではなくて、「移動の拒否」ではないでしょうか?
「移動の拒否」では人語に落ちないと自負していますが、「悠揚迫らず」とはなかなかいきません。
ドーキンスという動物行動学者は、もっと大胆なことを言ってます。「生物は遺伝子の乗り物」だという説を展開していて、子孫が出来て遺伝子が生き残るということですのでご指摘の通りとなりそうです。
ありがとうございます!!
お役にたてれば幸いです。