モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

アズレア・ブルーセージ(Azurea Bleu sage)の花

2008-09-20 07:25:15 | セージ&サルビア
いざ~にそなえ、眠れぬ夜をぐっすりと床の上で寝てしまった。
だが、台風が素通りをし雨風とも過剰ではなかったのでひと安心。 腰が痛いだけだが・・・・

アズレアが適量の雨を受け一気に咲き始め、どんより曇った中に溶け込んでいた。

(写真)アズレア・ブルーセージの花


アズレア・ブルーセージは、アメリカ南東部が原産で、草原・道端などに咲いているという。
丈は、150~200cm程度まで伸びるが、葉が細長く小さいので筋肉質のスラッとしたスタイルをしており、
ブッシュを形成するとあらゆる隙間から茎を伸ばす自在な成長をする。
そして、茎は柔らかい記憶合金の針金のように過去の履歴を残しブッシュを形作る。

その枝の先に花序を延ばし
アズレア色といわれる空色をした素晴らしい花をつける。
乾燥した冷涼な空気感でのアズレア色の花は、人の足跡の無いアメリカ中部の原野に誘い
何をすることもなく、何を考えることもない無の時間に浸れそうだ。
こんな時間に出会うと実に気持ちが良い。

耐寒性もあり育て方も簡単なので、1ポットを園芸店で手に入れ、
4号サイズ(直径12cm)の鉢から出発して陽の当たる庭の片隅で育てて欲しいセージでもある。

これほどのセージなので、人気になっているポピュラーなセージのはずだが、
原産地アメリカでも意外なほど情報量が少なく、また適切なものも数少ない。
ということは、ポピュラーではないということなのだろうか?


アズレア・ブルーセージの雑学
アズレアについては情報量が少なく、裏取りがとれていないところもあるので、雑学とした。

アズレアの新種をチェックすると2種しかないので、園芸品種の開発はされていないようだ。
学名で確認すると、
Salvia azurea Michx. ex.Lam.(azure blue sage
Salvia azurea Michx. ex Lam. var. grandiflora Benth.(pitcher sage
の2種になる。(データ:USDA米国農務省)

この学名は1805年に登録されており、これ以前に採取されたはずだが、誰が採取したかよくわからない。

手がかりは、登録日の「1805年」、命名者の「Michx.」「Lam.」「Benth.」だが、
Lam.」は、フランスの植物学者ラマルク(Lamarck, Jean Baptiste Antoine Pierre de Monnet de 1744-1829)
Benth.」は、イギリスの植物学者ベンサム(Bentham, George 1800-1884)だ。

ラマルクは、ダーウイン以前の進化論の提唱者であり、進化論としては否定されるが、
社会学的な人間社会の組織における進化論としては魅力のある
「用不用説」「獲得形質の遺伝」の原則を唱える。

ちなみに、「用不用説」は、要なものは強化され、要がないものは退化するという考え方であり、
ご近所とのお付き合い、愛情、筋肉などなどこの原則に当てはまりそうだ。
獲得形質の遺伝」は、後天的に獲得した経験が次の組織にナレッジとして伝播するということであり、
感覚的には理解できるものがある。

蛇足のついでにベンサムを紹介すると、イギリスの分類植物学の権威で、植民地の植物相の体系化を行っており、
またサルビア属が含まれるシソ科の権威でもあり、ヤマボウシの学名にも登場する

この二人は、フランスと英国のアズレアを採取したプラントハンターに敬意を表されて献じられたのだろう?

アメリカ独立戦争とフランス革命のはざ間で活躍したアンドレ・ミッショー
残された命名者1名の「Michx.」がキーマンのような気がする。
フランスの植物学者・プラントハンターのミッショー(Michaux, André 1746-1803)である。

現段階では、ミッショーがアズレア・ブルーセージを採取したという記録にはぶつかっていない。
しかし、学名登録が1805年であり、ミッショーの活躍した年代に重なり
しかも原産地のアメリカ南東部も探索しており、命名者だけでなく採取者であっても不思議ではない。

フランシス・マッソンのシリーズが完結していないが、
フランスのプラントハンター“アンドレ・ミッショー”の続きは後日掲載する。

(写真) アズレア・ブルーセージの葉と枝


アズレア・ブルーセージ(Azurea Bleu sage)
・シソ科アキギリ属の耐寒性がある多年草。
・学名はSalvia azurea Michx. ex Lam。英名はアズレア・ブルーセージ(azure blue sage)
・別名は、スカイブルーセイジ(Sky blue sage)、ブルーセージ(Blue sage)。
・アズレアには2種類がありPrairie sage(プレイリーセージ)と呼ばれるものは、学名がSalvia azurea var. grandifloraであり花がチョッと大きい。
・原産地は、アメリカ合衆国、ミズリー州などの中央部、ルイジアナ州などの南東部とテキサス。
・摘心をすると開花期は遅れ、9月~10月になり青い花を多数つける。
・草丈は1.5m。枝は柔らかく丈夫で風などにゆれ癖がつき直立しない。
・2回ほど摘心が必要。1回だけにしたら2mぐらいになり強風で枝は東西に奔走。



(写真)アズレア・ブルーセージの花2


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