サンタは、そりからガザを見下ろして、何を思うだろう。彼は子どもたちを探してがれきの下にもぐったり、テントからテントへと探し回ったりしなければならない。子どもたちにあげるプレゼントは、休戦の希望以外にありえようか―。
イスラエルによる侵攻を体験したパレスチナの作家がつづり刊行した『ガザ日記』の一節です。「このジェノサイドの蛮行から私たちを守るものは何もない」。昨年のクリスマスを迎えた時の記録ですが、1年が過ぎても日常は破壊され続けています。
死者は4万人を超え、1万人以上の子どもが犠牲に。人口の9割にあたる人々が家を追われ、食料不安と栄養不足にさらされています。まさに直面しているのは生存の危機です。
「即時停戦は待ったなし」。共産党の小池書記局長が国会で訴えました。国際刑事裁判所がイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したことにふれ日本も逮捕義務を果たすべきだと迫りましたが、石破首相は背を。
中東でウクライナで。絶えぬ戦火のなかで今年も迎えたクリスマス。そこに伝わる物語は抑圧された人たちのために書かれたといいます。先の日記のように。ローマ教皇もあらゆる紛争地にクリスマス停戦を呼びかけました。
この時期になると、世界のあちこちで流れる「ハッピークリスマス」。ジョン・レノンの優しげな歌声とともに子どもたちが呼びかけてきます。争いをやめよう、戦争は終わる、あなたが望むなら今すぐに。新しい年が何の恐れもないようにと。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます