音楽の時間に
こういう昔の曲を聴かせていただきました。
伴奏はチェンバロです。 ピアノがない時代の曲ですから、チェンバロが似合います。
ヴァイオリンはというと、今と同じように見えますが、これはバロックヴァイオリンといって、昔のヴァイオリンで今とはかなり違います。
左が現在のヴァイオリン、便宜上モダンヴァイオリンと言います。 右がバロックヴァイオリンです。
そっくりですね。 でも違うんです。
外観上は顎当てがない。 顎を乗っける台がないんです。
そして、実は弦が違います。 昔ですから、ガット弦、すなわち羊の腸を使った弦です。 今はスチール弦ですのでずいぶん違います。 ガット弦は弱いので、半度低めの調弦になっているそうですが、張りが弱いので、ヴァイオリン本体の強度も少ない、というよりもモダンヴァイオリンになって張りが強くなったためにヴァイオリンの面や裏板が厚くなり、ブリッジの下の柱も太くしっかりしたものになっている。
そして、ガットなので音が柔らかいのです。
そして弓も違います。 張力も違うのですが、大きな違いは先の形、 角張った方がモダンで、バロックは滑らかな形です。
他にも違いがあるのですが、このように丁寧な解説もしていただきました。
演奏スタイルは、顎で挟まないのでヴァイオリンが安定しない。 顎で挟んでいるようですが、ほとんど擦れて居なくて、昔の貴族たちが演奏した頃には、襟のある服を着て居たので、ほとんど鎖骨に乗せているような感じだったらしいです。 そういう服装だったので顎で挟むなど考えてもいなかった時代です。
そして、アヴェマリアやG線上のアリアを演奏してくれましたが、音色は素朴、やさしいというかある意味かすれているというか、力強さはないけれど、優雅なんです。 チェンバロととてもよく似合っています。
さて、モダンヴァイオリンでの演奏。 伴奏はピアノに代わっています。 もちろん皆さんで手伝って、チェンバロを丁寧に持ち上げて他の部屋に運んで、ピアノもここまで持ってきたのです。 大変なんです。
ちゃんと顎でヴァイオリンを挟んでいます。 これだとヴァイオリンが安定してハイポジションでも弾きやすそうです。
「タイスの瞑想曲」 いいですね〜、 やっぱりモダンヴァイオリンの音は良い。 聞き慣れたヴァイオリンの音だ。
そして、この曲が良い。 目の前で演奏してくれているのです。
「愛の挨拶」もよかったし、「チャールダッシュ」は、それこそ弦が咽び泣くような音色でしびれました。
「チャールダッシュ」良いですよ、検索してyoutubeででも聴いてください。ハモニックスなんかも凄いし、綺麗な曲ですが難曲でしょうね、
帰りに先生にお会いした時に私も家に親父が使っていたヴァイオリンがあるんです、と言うと、是非練習しなさいよと言われました。
そこで、
帰ってヴァイオリンのケースを開けると、すざましい事になっていました。 バラバラじゃん!
弦の端を止めている、テールガットが切れている。 この紐一本で、ヴァイオリンの弦4本の張力を支えているのだから、凄い力がかかっているんだ。 そして親父のヴァイオリンなので、多分70年ぐらい経っているかもしれない。
ということで、せめてこの部分だけでもパーツを買って、一応弾ける状態には戻しておきたいと思っております。
ヴァイオリは弾けないけれど。
追記: バロックヴァイオリン、バッハやヘンデルの時代ですが、日本で言えば江戸時代中期。
NHK 光る君へ で雅楽が優美に演奏されていますが、それって、江戸時代どころか室町時代どころか、平安時代の初めの頃です。 日本って凄い! と思いませんか?
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