HNモジュールの運転です。
鉄道模型は動かすものですが、最近は鉄道模型趣味誌でも運転方法についての記載はほとんどありません。
車両を作った記事でも、動いた程度の記載で、レイアウトでもどうやって運転しているのかあまり書いてありません。
模型車両を動かすことはごく当たり前の方法で珍しくないからでしょうか?
でも車両を動かすだけでは、運転と言うにはおこがましい。
大きな運転会でエンドレスを列車が走っている。それは見ていても気持ちが良いものですが、一定速度で走っているだけで果たして運転と言って良いものか? やはり、駅から走り出して速度を変えて、カーブで減速して、駅に近づいたら停止位置にきっちり止める、せめてこれぐらいの操作をしなければ運転とは言えないのではないでしょうか?
さて、HNモジュールは基本的に単線で終点ありの線路配置になります。 ですからエンドレスの様に一定速度で動かしっぱなしにしておくわけには行きません。 自ずと運転しなければならないのです。
HNモジュールではキャブコントロール方式という運転方法を採用しています。
キャブとは運転台のことで運転台コントロールとでも言いましょうか。 この様な方法は昔から当然にように行なわれている方法ですが、最近本で見たことがないので、少し説明します。
両端に終着駅と中に中間駅があるシンプルな線路配置を考えます。
コントローラーは左の「かや駅」と、右の「はな駅」にあり、中間駅のポイントまでそれぞれのコントローラーがつながっています。
中間駅の1番線、2番線は線路にギャップが切ってあって電気的に独立しています。
この部分に右と左のコントローラーへの切り替えスイッチS1、S2がついていて、スイッチの操作でどちらのコントローラーからも走らせることができるようになっています。 これがキャブコントローラー(キャブコン)という方法です。
当然ポイントもあってポイントのスイッチP1、 P2もついています。
両端の駅のポイントと操作については省略します。
ここで、両方の終着駅から中間駅に向かって列車が走り出します。 中間駅のキャブの切り替えは上の図の様にして、「かや駅」の運転士が「フランス駅」の1番線まで運転できる様になっていますので、1番線に止める様に運転します。 右からの列車も同様に2番線に到着させます。
両列車が到着してきっちり停止すると、中間駅では1番線を右の「はな駅」のコントローラーになる様にキャブ切り替えスイッチを換え、2番線も「かや駅」側に切り替えます。 そして、ポイントP1、 P2も切り替えます。
一方運転士は、先ほど走らせた列車を運転するのではなく、新たな列車を運転するので、今度は進行方向が逆になるので逆転スイッチを変えなければなりません。 これを忘れると、反対方向に走るので、ちょっと待って! と言うことになります。
時間が来たらそれぞれの運転士は列車を発車させます。 「かや駅」には緑の列車が向かい、「はな駅」にはクリーム色の列車が向かい
これで列車交換ができました。
これが、一つのクールです。
中間駅のポイント係は右と左と両方からくる列車を見ながらポイントとキャブ切り替えスイッチの操作をしなければなりません。
運転士は列車の方向を間違わないように気を遣いながら出発させ、何メーターか先にある駅の停止位置に列車を停止させなければなりません。
これが基本的な運転です。
つぎに、各駅停車が駅に停まっている時に急行が停車せずにすれ違う方法を述べると
右から来た各駅停車(赤)が「フランス駅」に停車しました。 この時点でS1は左のコントローラー、S2は右のコントローラーにつなげています。左から急行(青)が「かや駅」を出発します。
赤が停車すると、S2をOFFにしてP2のポイントを1番線側に切り替えます。
急行は止まらずに通過しますが、この時に1番線を通過した時点で右のコントローラーの領域に入ります。ですから、右の運転士は進行方向を合わすために逆転スイッチを切り替えて、コントロールノブもある程度の電圧まで上げておく必要があります。 このレベルが左のコントローラーと違うとギャップの位置で列車の速度が急激に変わるので、瞬時に調整して自然に見える様な速度に調整します。 これをS2がOFFになる前に操作すると、赤い列車が右方向に走り出すので、あくまでも中間駅の係員がS2をOFFにしてからコントローラーのつまみを回します。
急行が「はな駅」のコントロール領域に入ると、「かや駅」のコントローラーをゼロに戻して進行方向を左に切り替えます。
中間駅では、コントローラーがゼロに戻ったことを確認してP1を2番線に切り替えてS2を「かや駅」側に切り替えます。
これで赤い列車が「かや駅」に向かって走れる様になり
「かや駅」側の運転士が赤い電車を出発させて「かや駅」に向かわせます。
これで、無事急行運転終了です。
よくある失敗ですが、中間駅の操作員が操作を間違うと2台同時に動き出し、列車がぶつかると言う事故が生じます。
中間駅の操作員は右と左の両側から列車が来るので、頭がこんがらかって大変なのです。
実際の運転会では駅の数が多いのでこんなになります。 でもそれぞれは上記の基本の連続なので自分のところだけ見ていれば良いのですが、どこかでダイヤが乱れると来るべき列車が来ていなかったり、すれ違いさせるために長く止めたりといろいろあって、面白いのです。
HNモジュールではフリーな時間は適当に運転していますが、ダイヤ運転では全員が配置について、時刻表に沿った「運転」をしています。 疲れるよ、 心地よい疲れだけれど。
つづく