ストロー笛の授業というか話というかデモストレーションというのかを受けました。
ストローで真っ直ぐな笛を作るだけではなくて、曲に合わせたいろいろな形をストローで作って吹いています。
これは「かもめの水兵さん」です。
実はこの方の授業は以前にも受けていて、その時の写真です。 かもめの羽が曲に合わせて動く。
これって、簡単ではないのです。 曲を鳴らすストロー笛と、羽を動かすストローに別々に息を吹いている。
羽は曲に合わせた動き方をしなければなりません。
この方はストロー笛は趣味でやっておられます。 もともと国立大学の宇宙工学を卒業して、今は教員だと思います。 趣味でリコーダーも吹かれますが、なんとその腕前は長年音大で教えていたとの事。 これらの事が根底にあってのストロー笛なのですが、こちらは本当に趣味を通り越した度を越した遊びという事です。
こちらは「象さん」です。 長く垂れ下がっているのが象さんの鼻です。
象さん ぞーおさん、の曲に合わせて、鼻が持ち上がります。 この鼻はシリコンのような柔らかいものに見えるのですが、ストローです。 柔らかく曲がるように工夫しています。
鼻が持ち上がるのは、空気穴が微妙な位置に開けてあるからで、宇宙工学のなせる技でしょうか? というほどのことではなくて、何度も作り直しては最適解を求めているそうで、努力というか、好きな賜物です。
二つの机いっぱいに、ストロー笛が並んでいます。 一曲にひとつづつなのでたくさんあるのです。
そして、曲を奏でる穴の位置は全て違うので、一曲20秒ほどのものを練習するのに1ヶ月以上かかるとの事。
いろいろな種類があり、とても覚えきれなかったのですが、それぞれ、遊びの機能が満載です。
笛は長さが長いと低音になります。 2倍長くなれば1オクターブ低くなる。 4倍になれば2オクターブ低くなるという事で。低音用というものは、曲げて長さを稼いでいます。
ストロー笛でも低音は素晴らしい音色です。 びっくりしました。
前述のように、この方はリコーダーの名人です。 この日はいくつかのリコーダーも持ってきておられました。 プラスティックの小学生用のようなリコーダーもありましたが、価格が10倍以上ちがう木のリコーダーとプラのリコーダーでも音はほとんど変わらない。 要は吹き方だ、ということでプラでもとても良い音を出していました。 これは私のギターにも言える事で、高価な楽器を使えば良いということではなくて、それをいかに使いこなすかということです。 まあ、「格付けチェック」の番組で分かっていますね。
でもって、上手にリコーダーを吹ける人なので、ストロー笛も上手に綺麗に吹けるのです。
本人は、遊びと言っていますが、遊びだけでは海外公演などに行けません。 ドイツやあちこちのテレビでも講演しているそうです。
これは4重奏用ということで、4本のストローがありますが、これで奏でる和音は完璧な調律になっていました。
音を聞いてびっくりしたのですが、音楽の基本がないとここまでの調律はできないなと思いました。
そして、この方が何度も言われたのは、こういうことは「度を越さないとダメなのだ」 ということです。 普通にストロー笛を作ったり吹くのは、子供会などいたるところでやっていますが、この人はおかしんじゃない? と言われるほど度を越さないと面白くない。
趣味の世界で度を越している人はいますが、やはりお金や世間体のことで、なかなか度を越せない。 家族からも疎まれる。
ストロー笛はお金の点では、なんら問題ない。 失敗すればいくらでも作り直せるので、たくさん作って遊んでくださいとの事。 まあ、環境問題には少し気を使いますが、と言いつつ。
以前の講義で、ストロー笛の作り方を習いました。
ストローを用意します。 太さは6mm程度です。
端をぺちゃんこに潰して、両側を少し切ります。 ぺちゃんこになりにくい時は軽くアイロンを当てるそうです。
これで、クラリネットのリードのようなものができました。
これだけで吹くと音が出ます。 いや、出るはずです。なかなか出ないけれど。
ある間隔で指穴を開けます。
穴あけはパンチを利用して、ストローの半分程度に穴を開けます・
こんな穴になりました。 ちょっと大きすぎたか?
完成です。
授業後は受講者全員が必ず書く感想文ですが、皆が皆、楽しかった、面白かった、驚きと笑いに包まれたと書いていました。
どうぞ皆さん、お試しあれ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます