マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

ラッフアー曲線  累進税の歴史の概略

2008-04-13 17:37:28 | Weblog
下記記事をご覧になってそうは言っても最高税率が高いのではとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、前にも述べたように、最高税率といってもその所得×税率では有りません。超過累進と言う事で、例えば、200万までは10%、300万までは20%と言うふうに税率が増えるわけで、70年代に調査した東京都の算出例でも、数千万の所得でも実効税率は30数%程度ですし、先日、銀座の飲食店経営者の脱税が記事になっていましたが、その例でも数億円の脱税に対し、税額は約10%程度でした。
(現在の最高税率は40%)、


 又累進制自体、投稿者の知るところでは、19世紀の始めにプロシャで階級税に取り入れられたのが始まりだと思いますが、その後多くの社会主義政党、無産政党で取り入れられ、既に19世紀の後半にはドイツ等でも累進の要求が一般的になり、日本でも戦前の無産政党が略全部、累進の政策を掲げており、既に日本でも戦前の最高税率で74%(昭和19年)、戦後23、24年には85%になっていました。(所得税百年史 大蔵省主税局)


 これは当時の社会運動等により当時の社会政策的経費、軍事費等を賄う為に採られたある意味必然的経過と言えるでしょう。それを現段階で税率を急に下げると主張してもそれは一般的財政赤字を増やすか、大衆増税の道しか残されないのも又必然と言えるでしょう。






訂正2010年11月7日
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サプライサイド+マネタリズム+ラッフアー曲線  その1

2008-04-13 17:05:58 | Weblog
これまで、何回かに及び、竹中氏言う所の“構造改革“論について述べてきました。世情、改革等と言う言葉を使うと非常に紛らわしいのですが、しかし、この欄をお読みの読者の皆さん同様、それを経済理論的本質に分解するなら忽ちその馬脚を現すことになります。それが表題に掲げた3つですが、サプライサイドとマネタリズムについては、当欄お読みの方は略お分かりの事と思いますが、ラッフアー曲線については、ご存知の方はご存知の事と思いますが、まず、ラッフアー曲線について若干述べますと、これは彼のレーガン大統領が、アメリカでこの新自由主義路線を始めた時の、税理論として採られたものですが、それは紙の上に一本の曲線を描き、要は、累進が進むと勤労者が働く意欲を失い、悪影響が出ると言ったもので、-これ自体、70年代まで諸国での所得税最高税率が70%程度以上あったがそれにより、働く人が減った等という例証は当然無く、何ら実証的に意味を持たない“理論“ですが-それにより、所得税税率の最高を下げた物ですが、又反面、ブキャナンのような財政赤字批判にどう対応しているのか、その理論的整合性は全く疑わしいとしか言いようが有りませんが、結論的には税率切り下げを始めたわけですが、それは他の先進諸国の法人税最高税率切り下げと相俟ってその後の財政赤字拡大の有力な要因になったものです。その様な現代の経済史的過去をこそまず総括すべきでしょう。
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