発売が1985年の限定・重量盤をよく購入していたと思います。
購入当時は、チャーリー・パーカーの演奏が理解出来ていませんでした。
無理をして聴いていたわけではなく、演奏メンバーの中に、マイルス・デイヴィスが参加していたから購入していたのです。
マイルス作品は、可能な限りコンプリートしようとしていた頃に購入しました。
さて、そのLPレコードですが2枚あります。
『ダイレクト・フロム オリジナルSP Vol.1』 キングレコード㈱盤 K18P-9397 MONO
『同上 Vol.2』 キングレコード㈱盤 K23P-6337 MONO
これらのレコードの凄さを付属のライナーノートや帯から引用して紹介します。
「従来SP盤のソースを復刻する場合は一度テープにコピーし、過度のイコライザー使用やハサミ編集によるサウンド作り、ノイズ処理を行っていました。
しかし、こうした機械的な処理のため、物理的な特性はSP盤以上になっても、あのSP独特のマッシブで迫力あるサウンドが失われるということもありました。」(帯より)
「78回転SPレコードの持つ荒削りだが線の太い力強い音や、立上りの良い歯切れの良さは大きな魅力であり、この特長を合せて復刻させるためにはダイレクトにカッティングする方法しかないだろうというのがこの企画の主眼です。おそらくこれは世界で初の試みだと思います。」(ライナーノーツより)
再生機器の選択
カートリッジ GE製カートリッジRPX-046(ヴァリ・レラ型、放送局用ロウ・インピダース、評論家 岡 俊雄氏所有のもの)
プリ・アンプ 管球式、SRPP方式、テレフンケンECC83の球8本使用、キングレコード㈱カスタム製
パワー・アンプ 管球式、6GB8のパラレルPP、キングレコード㈱カスタム製
カッター・ヘッド ノイマンSX-68
フィルター/イコライザー関係 原音を大切にするため、サーフェイス・ノイズを減少させることと、各SPレコードの音量、音質上のバランスの補正程度に最小限利用
SP盤 瀬上保男氏所有のもの
ダイレクト・カット
LP用ラッカー・マスターに4曲続けて切り込む ・・・(略)・・・ 曲と曲のブランク・タイム ・・・(略)・・・ 約7秒まで短縮することができました。
総勢6名のスタッフ
1 盤面クリーニングと皿回し係に手渡す係
2 78回転するターンテーブルにレコードをのせ、針を降ろし、演奏終了次第針を上げ、次のレコードを受け取りターンテーブルにのせて直ちに針を降ろす
3 演奏終了後のレコードをターンテーブルから取り外す
4 針の上げ下ろしの間に、フェーダーでFIとFOを行い、さらにレコードごとに音量レベルと音質のバランスを調整する
5 LP用ラッカー・マスター盤にダイレクト・カットする
6 1曲単位、曲間、合計のタイミングを計る
一瞬の油断も許されない緊張した状況で手順よく事を運ぶ必要があります。(以上ライナーノーツから引用・抜粋)
SP発売当時の紙袋も完全復刻、SP盤サボイ・オリジナル・レーベルが使用されているとのことです。
ジャケットのイラストは、評論家 野口久光氏によるものです。
購入から30年弱を経過しましたが、今聴いてみるとSP盤の生々しさの一部を感じ取ることが出来ていると思いました。
今の小生のMONOシステムがその能力を発揮してくれたお陰だと思います。
そのMONOシステムは、また別の機会に。
ではでは。