「 生誕120年 野島康三 」
ある写真家が見た日本近代
会期:2009年7月28日-8月23日
会場:京都国立近代美術館
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先日、内覧会に行きました。
1997年にも同美術館で、野島康三の展覧会が既に開催されているので
今回の企画主旨はどこにあるのか、という点が気になっていました。
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会場の前半部には、顔料を使って画像を描出する
ガムプリント、ブロムオイルプリントなどのピグメント印画技法を
用いて制作された作品が展示されていました。
これらの作品は絵画と写真の間に存在する印象を受けます。
写真ではあるものの、相当の画力が必要とされる取り組みだと改めて感じました。
会場の後半部は、野島と同世代の中原悌二郎(彫刻家)、富本憲吉(陶芸家)の
作品、野島が撮影した作品写真、資料などが展示されていました。
本展の企画主旨は後半部の展示にあります。
野島康三は裕福な家の出身です。
その財力を活かし、芸術家擁護の活動も熱心にされていたのとの事。
自宅で画家・梅原龍三郎や岸田劉生の作品展を開催したり、
私財を投じて東京に画廊を構えたり・・・
写真の分野では、
あの伝説の写真雑誌「光画」を中山岩太、木村伊兵衛と共に刊行するなど。
(刊行にあたっての資金は野島が用意したらしいです。)
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芸術家の高い志だけでは困難なことも
野島康三のような人が存在することで
理想が現実化しやすくなるかもしれません。
私にも“野島康三”が現れないだろうか・・・。
Yoshie