徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

西に東に美術鑑賞Day その2 

2013-12-26 | 写真に関するお話


会期が終ってからの掲載となりましたが・・・

今月、下の写真展に行きました。

オサム・ジェームス・中川 写真展
「 沖縄 - オキナワ - OKINAWA 」

会場:京都造形芸術大学 Galerie Aube



アメリカを拠点に活動する
オサム・ジェームス・中川氏による写真展です。
展覧会場は下の3シリーズで構成されていました。

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沖縄戦で追い詰められた多くの住民が身を投げた断崖絶壁を
人の目を超える高解像度で描いた「バンタ」。

住民の信仰に深く結びつきながらも戦時中には病院や防空壕
さらには集団自決の場となった洞窟をとらえた「ガマ」。

今なお沈黙のうちに存在する戦争の痕跡を見つめた「リメインズ」。

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沖縄返還時の記憶を持たない私にとっては
沖縄は美しい空と海・・・
バカンスの土地でしかありません。

琉球王国としての歴史
第二次世界大戦において地上戦がおこなわれた事
戦後、アメリカに占領された事
いまなお
在日米軍基地が多くある事
など
知識としての認識にとどまります。

そのような私は
本展にて視覚と触覚で
地上戦の時を生きた住民の
心理の一端を体感できたように思いました。
写真展で触覚?と疑問に思われるかもしれませんが
この展覧会の見どころは触覚です。

「バンタ」と「ガマ」のシリーズは
ロールの出力紙にプリントされた大きな作品のため
観る者の身体を画像の中に置く形で鑑賞でき

高解像度で仕上げられた画像は
視覚を超え触覚にまで訴える迫力を持っていました。



オサム・ジェームス・中川氏のウェブサイト

記:徳永好恵

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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