tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『台湾アイデンティティー』

2013-07-20 08:23:50 | 映画-た行
 台湾における日本統治は、1895年(明治28年)から1945年(昭和20年)までの50年間続いた。日清戦争の終戦から、第二次世界大戦終戦までだ。その間に生まれ育った人たちは、日本語教育を受け、日本人として育てられた。「日本語世代」と呼ばれる。例えば1895年生まれの人は、50歳になるまで日本人だったわけである。
 その「日本語世代」の6人を追った、ドキュメンタリー。

 台湾と日本の歴史を、知らないか失念している私たちに、知らしめてくれる。そしてそれ以上に、国家とは何だろう?という疑問が湧く。今さら素朴すぎるかもしれないけど。

 誰か運命について説明してくれる人はいるんだろうか。「かつての場所」に長く居たがる人はいない。すでに年老いた人たちの、目に浮かぶ涙と、厳しい横顔と、笑顔の記録。

 酒井充子監督、2013年、日本。