前作よりこちらの方が面白かった。
セリフを増やしたということだけど、その方が楽しい。
大友のキャラクターは、やはり監督の分身なんだろうな。惹かれる。繰り返し繰り返し、今後も描いて欲しい。
言ってみれば、守るものはなく、計画性もなく、欲という欲もない。策略というものがなくて、直観と感覚で行動する。頭は切れるが、そこには明らかに欠陥がある。恐怖がない。
遺伝子レベルで(いわゆる恐怖遺伝子が)ないのか、それとも自ら穴をうがったか。その内幕は描かれないのである。
愛嬌というのは、持って生まれるものなのかな。愛嬌は、わりあい大切だと思った。
北野武監督、2012年、日本。