ジェシカ・ハウスナー監督、2009年、オーストリア・フランス・ドイツ。
奇蹟の地ルルドを訪れる観光ツアー。
平凡で、この上なく日常的なその進行具合を見ていたら、中学の修学旅行の夜、宿の玄関口に脱ぎ捨てられていた一面のスリッパを思い出した。
大量の青いビニール・スリッパ。わくわく感の前に立ちはだかる、偽物の海の光景。
登場人物たちの、距離感や、口に出す言葉や、いちいちの動作が浮き上がってくる。ラストまで観れば、鰯の群れみたいに一斉に浮かび上がってくる。美しい田舎の風景。距離感は、物理的距離でもあった。
この映画のように、出来れば品良くありたいと思う。無理だろうけど。
この世に奇跡はあるんだろうか。
あってもいいと思うけど、彼女にとってはめでたしめでたしでは終わらない、ただ一瞬の曲がり角。その描き方は、無駄がなくて衝撃的。そして常に人の裏や真意を探ろうとしている私たちを描いているみたいだ。基本的に見るということはそういうことだと、言われてるみたいだ。私がこの映画を見ているみたいに。
主演の、クリスティーヌ役のシルビー・テステューが、すばらしかった。
第66回ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか5部門受賞。ワルシャワ国際映画祭グランプリ。ヨーロピアン・フィルムアワード最優秀女優賞受賞。
奇蹟の地ルルドを訪れる観光ツアー。
平凡で、この上なく日常的なその進行具合を見ていたら、中学の修学旅行の夜、宿の玄関口に脱ぎ捨てられていた一面のスリッパを思い出した。
大量の青いビニール・スリッパ。わくわく感の前に立ちはだかる、偽物の海の光景。
登場人物たちの、距離感や、口に出す言葉や、いちいちの動作が浮き上がってくる。ラストまで観れば、鰯の群れみたいに一斉に浮かび上がってくる。美しい田舎の風景。距離感は、物理的距離でもあった。
この映画のように、出来れば品良くありたいと思う。無理だろうけど。
この世に奇跡はあるんだろうか。
あってもいいと思うけど、彼女にとってはめでたしめでたしでは終わらない、ただ一瞬の曲がり角。その描き方は、無駄がなくて衝撃的。そして常に人の裏や真意を探ろうとしている私たちを描いているみたいだ。基本的に見るということはそういうことだと、言われてるみたいだ。私がこの映画を見ているみたいに。
主演の、クリスティーヌ役のシルビー・テステューが、すばらしかった。
第66回ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか5部門受賞。ワルシャワ国際映画祭グランプリ。ヨーロピアン・フィルムアワード最優秀女優賞受賞。