授業なんて○○だ!変な教師の成功仕事術

学校の常識とは違う事いっぱいだけど、すべて筆者の成功体験からの仕事術ばかり。変な教師なので、信じなくていいですよ。

授業のスキル基本のキ、その四、指示は1つずつ

2020-05-15 19:35:53 | 授業のスキル

「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」

教師がこう言ったら、クラスの子は全員その通りにする。
そんな理想の教室…はありません。

何人かの子は、その通りできます。
多くの子は、教科書出してペラペラページをさがします。
下敷きを出すことに集中する子もいます。
鉛筆を削り出す子もいます。
そして、何もしない、もしくは机に突っ伏す子もいます。

「先生!どこやるの!」と、ヤンチャな子が叫びます。

「さっき言いました!」先生が怒鳴り返します。

こんな光景見たことありませんか?
実は、教師になりたての僕の授業です。

一度で聞ける子に育てたいと、一度しかいいませんでした。

で、話を聞いてないと、説教しました。

その結果、子どもたちのやる気はどんどんなくなりました。学級崩壊の始まりです。

「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」

これの何がいけなかったのでしょうか。

実は、脳科学の研究で、わかります。

ワーキングメモリー、聞いたことありますか?
作業記憶と訳されます。脳で今やる事のために、一時的にする記憶のことです。

ワーキングメモリーは一時的な記憶のため、すぐに忘れてしまいます。さらに、個人差はありますが、一度にいくつも覚えていられません。普通の子どもなら3つ、支援の必要な子は1つしかワーキングメモリーがない場合もあります。

新しい記憶が入ったら古い記憶を忘れます。
だから、いくつも記憶させなければいけない指示は、前の指示を忘れてしまうのです。

先ほどの指示、
「教科書を出して34ページを開いて3番をやりなさい。ちゃんと下敷きもつかいます。鉛筆は削っていますか。」
これはいくつ指示があり、いくつワーキングメモリーを使うでしょうか?

①教科書を出して

②34ページを開いて

③3番をやりなさい。 

④ちゃんと下敷きもつかいます。

⑤鉛筆は削っていますか。

5つの指示があるため、ワーキングメモリーは5つ必要です。

先ほど、普通の子で3つと書きました。
普通の子も、これら全てを覚えていられないのです。

ワーキングメモリーが1つのヤンチャな支援の必要な子は、分からなくなるから聞き直すのです。
または、脳がパニックになり、机に突っ伏すのです。

ではどうするか。
代案を示します。

「教科書を出します。」
指示後、視線を飛ばし、全員出したか確認します。

「34ページを開きます。開いたら、開きましたと言います。」
視線を飛ばしながら確認します。
言わせる事で、まだ開かない子に気づかせます。

「3番を指で押さえます。隣の人が押さえてたら手をあげます。」
全員手をあげたか視線を飛ばします。
隣の子に確認させる事で、わからない子も隣の子に教わります。

僕なら、下敷きや鉛筆削りはここでは言いません。机間指導しながら個別対応します。

ここまでやっても、1分もかかりません。

これは例示ですが、どの授業でも、指示を出すときは必ず1つにします。
1つ指示して視線をとばし確認し、また次の指示をするのです。

これをよんだら、明日から実践して下さい。昔の僕みたいに、学級崩壊させないように。


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